仕組預金で資産運用

資金を仕組預金で運用する場合は、銀行の判断によって運用期間が長期となる可能性があるので、あくまで長期の余裕資金を運用するスタンスで取り組むべきです。

満期日変更特約付定期預金と元本通貨変動型円仕組預金

資産運用においては、株式投資信託などの投資商品を駆使するのが一般的ですが、ここ数年ネットバンクを中心に仕組預金や新型定期預金と呼ばれる預金商品に注目が集まっています。仕組預金とは、金融デリバティブを組み込んだ預金商品で、注目されている理由は高い金利が設定されていることにあります。円の定期預金よりも高い金利が上乗せされていることはもちろんのこと、ネット定期よりも高い金利を設定している銀行もあります。

なぜ、このような高い金利が設定できるのか、その理由は、デリバティブという仕組みを活用しているからです。デリバティブは金融工学を利用しており、日本語では金融派生商品と訳されますが、当然、高い金利(ハイリターン)に応じたハイリスクが存在します。仕組預金という名前ですが、貯蓄性よりも投資性が強く、運用リスクを内包した投資商品として考えなければなりません。

仕組預金に活用されているデリバティブには、先物取引やオプション取引、スワップ取引があげられます。いずれの取引も、当初取引を開始する時点で、将来の取引を約束するといったものです。一般的に金融商品は期間利益を金利で計算する傾向があるため、取引開始の時点である程度の収益が算定できるのがデリバティブの特徴です。ただし、デリバティブ取引は途中の解約やキャンセルができず、契約内容を更新することができません。そのため、将来の取引を約束した時点において、状況が悪化していても約束を取りやめることができず、損失の状態でも契約を履行しなければならないため、結果的に投資元本を減らすリスクがつきまとうことになります。

デリバティブ取引には様々な制約が課されていますが、そのまま預金者が制約を受ける設定になっているため、仕組預金はハイリスクな商品とみなされるわけです。当然、銀行は調達コストと運用によるリターンを算定して金融商品を開発する傾向にありますので、銀行には損をしない仕組みで作られています。デリバティブは金融商品のひとつであると認識し、投資信託などの他の運用商品と同様に基礎知識を有して投資タイミングを考えて取り扱うことで、有用な運用商品の一つになると考えられます。この投資利回りと投資元本に関わる価格の変動具合でみると、必ずしも運用効率が悪いとは言い切れません。

仕組預金には、デリバティブを活用する性質上、様々な種類のものがあります。代表的な仕組預金として、満期日変更特約付定期預金(コーラブル預金)と、元本通貨変動型円仕組預金があげられます。

満期日変更特約付定期預金は、金融機関の判断により、当初の満期を延長または繰上げることができる特約が付いた定期預金です。一般には、当初の預入段階で満期が段階的に設定されており、金融機関の裁量で満期を決めることができる設計となっています。そして金利は満期が延長されるほど高くなります。満期まで保有していれば元本割れすることはなく、円建てであればペイオフの対象(元金、利息ともに範囲内の場合)にもなります。

デリバティブを活用しているため、原則として中途解約はできません。どうしても中途解約する場合は、預入時の元本額を下回ることもあります。また、預金者が満期日を選ぶことができず、銀行の裁量で満期日が決まるため、市中の金利が上昇すれば延長され、市中金利が低下すれば、早期の満期となる傾向があります。市中金利が上昇した状態で、仕組預金に預入継続することを余儀なくされる場合は、機会損失を被っている状態となります。よく考えるべき注意点は、仕組預金は預入期間が決められず、延長により運用期間が長期となる可能性があることです。ですので、満期金をライフプランに合わせることが難しく、あくまで長期の余裕資金を運用するスタンスで取り組むべきでしょう。

元本通貨変動型円仕組預金は円貨と外貨を活用した仕組預金であり、かなりの高い金利が見込める半面、元本割れとなる可能性がある仕組預金です。この仕組預金の構造は、当初は円定期預金として預け入れますが、あらかじめ指定された外貨が判定日に指定された為替レート(特約レート)よりも円安であった場合は、満期時に元利金を円貨で払い戻されます。そして円高であった場合は特約が実行されて、特約レートで計算された特約通貨で払い戻されます。払い戻された外貨を円貨に交換する場合は、為替相場の動向によっては当初元本を下回る可能性があることには注意が必要です。

この仕組預金も、原則として中途解約はできず、どうしても中途解約をする場合は預入時の元本額を下回ることもあります。また、預入期間中は円貨のためにペイオフの対象ですが、満期時に払い戻された外貨はペイオフの対象外となることも留意しておく必要があるでしょう。

外貨を絡めた仕組預金は、国内で取り扱われている金融商品の中では、かなり高い金利が設定されています。しかし為替相場の変動の影響を受けるため、投資元本が目減りするリスクについてよく考えなければなりません。為替相場が今よりも円高になれば外貨で払い戻されて円に換算した場合には損失となります。今よりも円安になれば円貨で元本と利息が払い戻されるので利益となります。今後の為替相場の動向が投資成果を左右するので、投資タイミングがとても大事になります。

為替相場の動向を予想することはかなり困難な作業ですが、一般には短期的な予想よりも長期的な予想がたてやすいと言われています。為替相場は、投機の動きだけではなく、国の政策や財政状態、貿易状況などが影響しているからです。そのため、長期的な円安方向を想定する中で、短期的な要因で大きく円高に振れた場合などは、元本通貨変動型の仕組預金の投資成果を期待できるタイミングになるかもしれません。しかし円高を想定する場合には、様子見といった判断が必要な場合もあるでしょう。こうした点からも外貨を絡めた仕組預金は預金商品ではありますが、商品説明を十分に理解して相応の商品知識やリスクを認識した上で取り組まなければならないハイリスクハイリターンな金融商品といえるでしょう。

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