定期預金と投資信託

多くの金融機関には「定期預金」と「投資信託」を組み合わせたセット商品があります。このセット商品で適用される定期預金の金利は、一般的な定期預金の金利に比べて非常に高金利です。しかし、投資信託の購入には購入時手数料がかかり購入金額の3%を超える高いものもあります。ですので、ファンドを選ぶ際には注意が必要です。

定期預金と投資信託のセットプラン

金融機関が取り扱う金融商品には、定番の預金商品をはじめ、投資信託や保険商品などさまざまなものがあります。また、多くの金融機関では、元本が保証される「定期預金」と、お金を育てながら資産を増やす「投資信託」を組み合わせたセット商品が取り扱われています。低金利が続く中、このようなセット商品の定期預金は、非常に高金利であるため、利用を検討されている方も多いのではないでしょうか。魅力的な特別金利が提供される定期預金ですが、購入の前に抑えておきたい注意点について説明します。

先ほども述べたように、定期預金と投資信託のセット商品で適用される定期預金の金利は、一般的な定期預金の金利に比べ、非常に高く魅力的です。ただし、実際にその高金利が適用される期間は3ヵ月などの短期間であることが多いのです。セット商品の金利表示は、年率で表示されているため、一見高金利に見えるのですが、実際にその金利が適用される3ヵ月間で受け取ることができる利息の計算をしてみると、思っていたよりも利息が少ないことに驚かれるのではないでしょうか。また、利息には20.315%の税金もかかるため、手にする利息はより少なくなります。

では、みずほ銀行が取り扱っている「みずほマネープランセット」で検証してみましょう。「みずほマネープランセット」は、円定期預金(3ヵ月もの)または外貨定期預金(3ヵ月もの)と、投資信託または外国債券(金融商品仲介)の同時申込みにより、定期預金の金利がお得になるというセット商品です。ただし、申込み金額に条件があり、円定期預金または外貨定期預金は申込み総額の50%以下、投資信託または外国債券(金融商品仲介)は申込み総額の50%以上にしなければなりません。また、投資信託は100万円相当額以上、外国債券(金融商品仲介)は1,000通貨単位以上の申込みが必要になります。この「みずほマネープランセット」には、「新規運用プラン」や「退職金運用プラン」、「相続資金運用プラン」など様々なプランが用意されています。

セットプランの定期預金

検証には、円定期預金と投資信託のセットプランで、みずほ銀行で初めて投資信託を申し込む方、または過去1年以内にみずほ銀行で投資信託を保有していない方が対象となる「新規運用プラン」を用います。「新規運用プラン」で申込みをした場合の円定期預金(3ヵ月もの)の金利は、年4.0%(税引後年3.187%/平成29年7月3日現在)です。ただし、このプランの円定期預金の金利は、初回満期日までの当初3ヵ月のみの適用です。円定期預金の金利が年率で記載されていますが、実際に年4.0%の金利で運用できるのは当初の3ヵ月のみです。仮に100万円を円定期預金に預けた場合の3ヵ月で得られる利息を計算してみます。3ヵ月を90日と仮定すると、税引前利息は、100万円×4%×90日÷365日=9,863円。税引後利息は、9,863円−(9,863円×国税15.315%+9,863円×地方税5%)=7,860円となります。金利年4%というインパクトにより、高金利に見えていますが、実際に受け取る利息について、どのように感じられたでしょうか。このように、購入を検討する際には、預入れ金額と預入期間により、実際に受け取る利息を計算することをおすすめします。また、初回満期日後は、期間3ヵ月ものの定期預金として自動継続されます。その際に適用される金利は、自動継続される当日の店頭表示金利になります。ちなみに、みずほ銀行の3ヵ月ものの定期預金の店頭表示金利は、年0.01%(税引後年0.007%/平成29年7月3日現在)です。みずほ銀行に関わらず、セット商品の定期預金の初回満期日後の適用金利は、店頭表示金利により自動継続方式となることが一般的です。3ヵ月ものの定期預金は、期間も短く、金利も低いため、そのまま3ヵ月ものの定期預金として運用していくのかも含めて検討する必要があります。

セットプランの投資信託

次に、購入する投資信託についてです。定期預金と投資信託のセット販売では、金融機関が指定する対象ファンドからファンドを選択することになります。投資信託の購入には、購入時手数料がかかり、一部にはノーロードといわれる購入時手数料が0円のファンドもあります。しかし、金融機関の多くは、購入時手数料0円のファンドをセット商品の対象外としています。この投資信託の購入時手数料は、購入金額の3%を超える高いものもあるため、ファンドを選ぶ際には確認が必要です。なお、投資信託には、購入時手数料の他に、信託報酬といわれる運用管理費用や、信託財産留保額という投資信託を換金する際にかかる手数料があります。購入時手数料のみ、販売する金融機関により金額の設定が異なりますので、どこの金融機関を選択するかの判断基準にもなります。

では、投資信託の購入時手数料について具体例を用いて計算してみます。例えば、みずほ銀行の「みずほマネープランセット」の対象ファンドである、国内株式で運用する「DIAM割安日本株ファンド」を申込みした場合、購入時手数料はファンド購入金額の3.24%(消費税込)がかかります。このため、100万円で投資信託を購入した場合の購入時手数料は、100万円×3.24%=32,400円になります。先ほど説明した「新規運用プラン」で、100万円の定期預金を金利年4%で3ヵ月運用した場合の税引後利息は7,860円ですから、実質的には預金者として自身が受け取る定期預金の利息よりも、投資信託の購入時手数料の方を多く支払うことになります。つまり、セット商品を販売する金融機関は、預金者に支払う利息よりも投資信託から得られる手数料の方が多くなるため、儲かる仕組みとなっているのです。そのため、預金者がセット商品を申込みする場合は、定期預金の利息以上に支払うことになる投資信託の購入時手数料を、ファンドの運用実績によるリターンで賄う必要があります。また、投資信託は元本が保証されていないため、元本割れせずに収益をあげていくファンドを選ばなくてはなりません。運用成果は、申込みした個人の責任に委ねられていますので、投資初心者の方は、ファンド選びにはとくに慎重になられた方がよいと思います。

定期預金と投資信託のセットプランのメリットとデメリット

定期預金と投資信託のセット商品に関する注意点について説明してきましたが、いかがでしたか?資産運用商品として人気のある、定期預金と投資信託のセット商品ですが、購入する前に、まずは投資信託の商品性を理解し、自身のリスク許容度をふまえて、どこまでならリスクがとれるのかを検討することが大切です。高金利に飛びつき、利息よりも高い投資信託の購入時手数料を払い、資産も元本割れしてしまったのでは泣くに泣けません。また、退職金を受け取られた方は、退職金運用プランとして、より高金利な定期預金と投資信託のセットプランを銀行員からおすすめされるかもしれません。しかしながら、銀行員のセールストークに流され、セット商品の定期預金の特別金利に引かれて軽い気持ちで購入するのは危険です。「なんとなくお得そうだから」という雰囲気で購入を決めるような商品ではないのです。投資信託は、定期預金のような預金商品ではなく、元本が保証されていない商品です。投資信託の運用成績により、投資額以上の利益が得られる可能性もあれば、運用がうまくいかず損をする可能性もあります。先ほども説明しましたが、定期預金の特別金利が適用される期間は、短いものが多いです。見た目は高金利に見えたとしても、実際に適用される期間で計算をしてみると、受け取ることができる利息は自身が思っていたより少ないかもしれません。

しかしながら、もともと目当ての投資信託がある方で、その投資信託が定期預金と投資信託のセット商品の対象ファンドとなっている場合、セット商品の利用は検討すべきではないでしょうか。はじめから投資信託を購入する意思があるならば、セット商品を利用することで、普通預金などに寝かせている余裕資金等を、短期間でも通常より高い利息がつく定期預金にあてることはメリットが大きいでしょう。ただし、投資信託には購入時手数料がかかります。同じ投資信託でも、取り扱う金融機関によって手数料の金額が異なりますので、その点も確認した上で申込みいただきたいと思います。

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