カナダ人と定期預金

カナダ人に定期預金は人気がありません。理由としては、定期預金の金利の低さがあげられます。また定期預金以上に、株や投資信託の取り扱いが多いことも原因です。それに加えて、カナダの人々にはあまり貯金の癖がないことも影響しています。

カナダでの定期預金の人気度

カナダ人と定期預金について言及すると、まずカナダの定期預金はカナダ人にはあまり人気がありません。カナダの銀行には各支店所属のファイナンシャルアドバイザーがいます。定期預金を開く前に、まずファイナンシャルアドバイザーとのミーティングが開かれ、どの金融商品がお客様のニーズに合っているかを話し合います。しかしファイナンシャルアドバイザーが資産運用を考えているお客様に対して、定期預金をメインの資産運用法としてお薦めすることはありません。カナダには定期預金の他に株や投資信託に加え、国債などの金融商品が日本よりも頻繁に取り扱われており、資産運用と言えば株や投資信託を薦められるのが通例です。

カナダの定期預金も日本と同じように資産運用のために売られていますが、最近の低金利の影響でカナダの定期預金は資産運用にというよりも貯金口座の延長として使われることが多いです。例えば、「車を買いたい」とか「来年の旅行の資金に」と言ったように、将来のための蓄えと言うよりは特定の目的のための貯金に使われることが多いわけです。

元本割れのリスクがある投資信託などに比べ、カナダの定期預金は元本割れもせず少しではあるものの金利が付きます。そのためリスクを嫌うことが多い、高い年齢層の人々には人気がある商品です。しかしカナダでは30代から50代の働き盛りの年代の方には、やはりできるだけ大きく資産を増やすために他の資産運用法を利用される方が多いです。

カナダでの定期預金の運用法

カナダで定期預金は1年から2年の短期の投資によく使われるほか、金融商品の運用手段としても使われます。カナダで人気の金融商品に「Registered Retirement Savings Plan」(レジスタード リタイアメント セービングス プラン、以下RRSP)と「Tax Free Savings Account」(タックスフリー セービングスアカウント、以下TFSA)と「Registered Education Savings Plan」(レジスタード エデュケーション セービングス プラン以下RESP)があります。これらの商品はカナダ政府への登録制で、RRSPは節税対策として使われる年金プランの事で、TFSAは2009年から始まった比較的新しい貯金口座の事です。またRESPはお子さんの将来の教育のための学資積立資金を指します。

定期預金はこれらの商品を運用するために使われますが、実際は株や投資信託と言った商品の方が使われることが多いです。特にRRSPとRESPにおいては長期の投資でより多くの資産を増やすことが目的とされますので、金利の低い定期預金でお金を預けておくよりも金利の高い投資信託で運用されることが一般的です。しかしながら、投資のすべてを株や投資信託に回すのはさすがにリスクが高いので、銀行では定期預金と投資信託と外貨投資をセットにした商品が一般的に取り扱われています。種類も100%定期預金のローリスクの商品から、定期預金60%と投資信託20%と外貨投資20%の商品や、定期預金40%と投資信託30%と外貨投資30%と言ったミディアムリスクの商品もあります。ハイリスクの商品になると、定期預金の割合は0%で投資信託50%と外貨投資50%と言ったものまであります。こうして定期預金はほかの金融商品と共に売られます。

カナダで人気の投資方法

先ほどから述べている通り、カナダでは定期預金よりも株や投資信託と言った資産運用に人気があります。それに加えてもう一つカナダ人に人気があるのはUSドル(米ドル)の売買によるFX取引です。

カナダ人は隣国のアメリカに買い物に行ったりガソリンを入れに行ったり、ドライブやコンサートやまたスポーツ観戦に行ったりすることが日常的にあります。そのためカナダ人は少しでも為替で得するようにUSドルの為替レートの動きに敏感です。毎日為替レートをチェックしては売買のタイミングを見計らっています。カナダドルが強くなればUSドルを買い求めるために、またUSドルが強くなればUSドルを売るために、カナダの銀行や両替所には行列ができます。それだけたくさんのカナダ人がUSドルの売買で利益を得ようとしているのです。

FX取引は短期間で割のよい利益が出ることがあるためにカナダ人の間でも人気の資産運用法であります。一旦お金を預けると解約できない定期預金に比べると、FX取引は自分の判断で売買でき利益の大きさも売買のタイミングに左右されます。さらに銀行や両替所での現金による取引では、その場で直接利益を受け取ることができるのでお得感も大きいです。こういった定期預金にはないFX取引の手軽さがカナダ人の間で人気の要因となっています。

カナダ人とお金

カナダ人のお金に対する考えは、一概には言えませんが、「今」が基準になっていることが多いです。どういうことかと言うと、「今」お金があるから高い服を買おうとか、「今」給料がよい仕事をしていてお金に余裕があるから新しい車を買おうと言ったように、「今」あるお金で何ができるかという事に比重が置かれています。言い換えれば「今」あるお金を「未来」のために蓄えようとしない事です。もちろん、手堅くお給料の何割かを貯金に回している人もいますし、資産運用に興味を持っている人もたくさんいます。しかしながら今あるお金を次のお給料日までに使ってしまう人が多いことも確かです。

カナダはお給料が2週間ごと、または月に2回支払われます。ですから給料日の後、ちょっと大きな出費があって金欠になっても2週間後にはまたお給料が入ってくるので、そこまで苦しい生活が続くことはありません。しかしながら仕事を辞めたりして2週間後のお給料がなくなったりした場合、生活できなくなってしまう人たちが多数います。こういう時のために定期預金などを使ってお金を貯めておけばよいのですが、元来、貯金の癖がない人にはコツコツとお金を貯めていくという事が難しいようです。

カナダの定期預金は最低投資額が500ドルとかなり低い設定なっていることがほとんどです。貯金癖のない人でも貯金を始めやすい金額になっていますし、元本割れもせず、手数料もかからない定期預金は学生や貯金を始めたばかりの人たちにはうってつけの商品と言えます。だからと言って「じゃあ、定期預金を始めてお金を貯めよう」と考える人が少ないのがカナダの現状です。

また、カナダは失業手当や障がい者手当のほかにも育休手当や子供手当といった政府からの給付金が日本よりも充実しています。その分カナダの税金は日本の税金よりも高いです。州によって税率は違いますが、ある州では消費税が12%のところもあります。しかしカナダ国民から徴収された税金は先に挙げた失業手当や障がい者手当や育休手当や子供手当といった形でカナダ国民に還元されています。もしかしたらこの現状が、多くのカナダ人にとって貯金をする意義を薄れさせているのかもしれません。

カナダの定期預金の現状

カナダでの定期預金の人気の無さは、やはりその金利の低さが大きな要因と言えます。さらに、投資信託やFX取引と言った資産運用が手軽に行えるという事も定期預金の人気を下げる要因の一つになっていると言えます。日本人にとって「カナダでは定期預金に1%の金利が付く」という事は羨ましいことなのかもしれません。しかしカナダ人にとって1%の金利はあまり魅力的な数字ではないようです。実際に「こんなに低い金利ならお金を銀行に預けても意味がない」と言う話をよく聞きます。

カナダの定期預金は元本割れなしと言うローリスクの性質を持ち、投資信託や外貨投資などの定期預金よりもリスクの高い金融商品と共にセットで売られることにより投資家たちに受け入れられています。カナダでは定期預金が銀行の大きな収入源の一つになっており、銀行としてはできるだけたくさん定期預金を売りたいところです。しかし、ここ1、2年はカナダでも低金利が続いており定期預金の人気が下がっています。そのためファイナンシャルアドバイザーがお客様に定期預金を強くお薦めすることはありません。それでもカナダの銀行は定期預金の預入れ期間を6ヶ月や15ヶ月や18ヶ月と細かく設定したプランを売り出したり、中途解約ありのオプション付きのプランを売り出すようになりました。このようにカナダの定期預金は以前の満期まで解約できないという規則から、お客様が必要な時に解約できるという傾向に代わってきています。しかし実際は少しでも高い金利を求めるお客の心理に変わりはなく、今でもカナダの定期預金の人気は低迷しています。

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