超短期の定期預金の金利

超短期定期預金の金利表

順位銀行名預入期間金利
1位SBJ銀行1週間年0.10%
2位オリックス銀行2週間年0.07%
3位東京スター銀行1週間年0.05%
4位SBI新生銀行2週間年0.03%
5位楽天銀行1週間年0.02%
6位楽天銀行2週間年0.02%

(2024年4月1日現在)

<情報ソース>

1.SBJ銀行
http://www.sbjbank.co.jp/individual/interest.html#anc1
2.オリックス銀行
https://www.orixbank.co.jp/personal/interest/#anc_01
3.東京スター銀行
https://www.tokyostarbank.co.jp/rate/en_commission/
4.SBI新生銀行
https://sre.shinseibank.com/InterestRateC/rate_list.aspx#cate4
5.楽天銀行
https://www.rakuten-bank.co.jp/interest/details.html#anchor-03

超短期定期預金とは

超短期定期預金とは

超短期定期預金とは、通常は1ヵ月に満たない短い期間の定期預金のことです。

1993年の定期預金金利の自由化までは、定期預金は3ヵ月ものが最も短い預け入れ期間でしたが、金利や期間の自由化で1ヵ月もの定期預金が登場しました。

その後、1994年に普通預金などの流動性預金(いつでも払い出せる預金)の金利が自由化されて、金融機関は預金者のより短い期間の運用ニーズにも応えることができるようになりました。

超短期定期預金の金利の比較

超短期定期預金の金利の比較

超短期定期預金には以下の5つの銀行の定期預金商品があります。現在、日本国内で超短期定期預金を提供している金融機関は、この5つの銀行以外にはありません。

2024年4月1日現在、みずほ銀行などのメガバンクをはじめとして、多くの銀行の定期預金の店頭表示金利は1年もので年0.002%にとどまっています。

ですので年0.002%をひとつの物差しとして、以下の金利をご覧ください。

1.楽天銀行

楽天銀行の超短期定期預金

楽天銀行はインターネット専業銀行です。楽天銀行には、1週間ものと2週間もの定期預金があります。金利は1週間ものが年0.02%で、2週間ものも年0.02%です(2024年4月1日現在)。

2つの違った期間の超短期定期預金を提供しているのは楽天銀行だけで、最低預入金額は1週間もの定期預金、2週間もの定期預金ともに10万円以上です。

楽天銀行はひんぱんに定期預金の金利を変更しているので、利用の際にはこまめな金利チェックが必要です。

2.SBI新生銀行

SBI新生銀行の超短期定期預金

SBI新生銀行は東京に本店があり、北は札幌から南は福岡までの主要都市には支店を展開しています。

SBI新生銀行の超短期定期預金は「2週間満期預金」として、2週間もの定期預金を提供しています。金利は年0.03%です(2024年4月1日現在)。最低預入金額はインターネット取引で50万円、店頭および電話受付の場合は100万円です。

日本銀行の超低金利政策を反映して、この「2週間満期預金」の金利もジリジリと下がってきてこの水準となりました。

3.オリックス銀行

オリックス銀行の超短期定期預金

オリックス銀行は法人向け信託商品も提供している銀行ですが、個人向け預金などはインターネットで取引を行っています。

オリックス銀行では「2週間定期預金」として、最低預入金額50万円から超短期定期預金を取り扱っています。金利は年0.07%です(2024年4月1日現在)。

こちらの2週間定期預金の金利も、やはり低下傾向にあります。

4.東京スター銀行

東京スター銀行の超短期定期預金

東京スター銀行は東京が本拠であり、SBI新生銀行と同じく札幌から福岡までの主要都市に「フィナンシャル・ラウンジ」という営業拠点を設置しています。

東京スター銀行は、「スターワン1週間円預金」という超短期定期預金を取り扱っており、金利は年0.05%です(2024年4月1日現在)。インターネット、店頭に関わらず最低預入金額は10万円からです。

この「スターワン1週間円預金」の金利も低下の一途をたどりましたが、年0.02%まで下がってから、2016年7月に引き上げられて今の年0.05%となっています。

5.SBJ銀行

SBJ銀行は韓国の新韓金融グループの日本現地法人という位置づけの銀行です。店舗網は東京の本店以外に都内、横浜、名古屋、大阪、神戸、福岡の各地に支店があります。

SBJ銀行の超短期定期預金

SBJ銀行は、あくまで日本で設立された日本に本店のある銀行で、外国銀行の日本国内支店ではありません。日本に本店のある銀行の預金は預金保険制度の対象となり、その金融機関が破たんしても元金1,000万円及び破たんの日までの利息について保護されます。一方で外国銀行の在日支店であれば、預金保険の対象外という違いがあります。

SBJ銀行では「なのかちゃん」という1週間ものの超短期定期預金を取り扱っており、金利は年0.10%です。超短期定期預金の中では最も高い金利で、SBJ銀行ではこの金利水準を2016年4月から維持しています(2024年4月1日現在)。

SBJダイレクトと呼ばれるインターネットや電話を通じた取引では10万円から預け入れができますが、店頭では30万円以上です。

その他

これらの5つの銀行の超短期定期預金に共通した預け入れ条件は、「預金者が個人であること」と「その銀行に普通預金口座を開設すること」です。

超短期定期預金に共通した預け入れ条件

超短期定期預金の金利は、年ベースでは1年ものの定期預金の金利に比べて見劣りはしませんが、突出して高い金利ではありません。

その中でオリックス銀行、東京スター銀行、SBJ銀行は、超短期定期預金の取り扱いに前向きな金利設定を行っているようです。

超短期定期預金の金利を年利で考えると

超短期定期預金の金利を年利で考えると

超短期定期預金の金利を年利で考えて比較したら、どれくらいでしょうか?

通常は、定期預金の金利は年利で表示しますので、期間が短いとその分得られる利息も少なくなります。年利ベースの金利として比較するために実態上の金利を計算してみます。

1.楽天銀行

楽天銀行の超短期定期預金の金利を年利で考える

楽天銀行では1週間もの定期預金の金利が年0.02%で、2週間もの定期預金の金利も年0.02%の金利です。これは1年間預けて元金の0.02%の利息がともに支払われるという意味です。

したがって1週間であれば、7日÷1年の分、つまり7日÷365日の分の金利しか付きません。よって1週間もの(=7日間)で得られる利息は、

0.02%×(7日÷365日)=0.000383%(小数点以下第7位切り捨て)

となります。同様に2週間もの定期預金では(2週間÷1年)分の金利になので、

0.02%×(14日÷365日)=0.000767%(小数点以下第7位切り捨て)

となります。

2.SBI新生銀行

SBI新生銀行の超短期定期預金の金利を年利で考える

SBI新生銀行の「2週間満期預金」の金利は年0.03%です。この金利の2週間(14日)分ですので、

0.03%×(14日÷365日)=0.001150%(小数点以下第7位切り捨て)

となります。

3.オリックス銀行

オリックス銀行の超短期定期預金の金利を年利で考える

オリックス銀行の「2週間定期預金」の金利は年0.07%です。この金利の2週間(14日)分は、

0.07%×(14日÷365日)=0.0026849%(小数点以下第7位切り捨て)

となります。

4.東京スター銀行

東京スター銀行の超短期定期預金の金利を年利で考える

東京スター銀行の「スターワン1週間円預金」の金利は年0.05%です。この預金は1週間満期なので、年0.05%の1週間(7日)分となります。

0.05%×(7日÷365日)=0.000958%(小数点以下第7位切り捨て)

となります。

5.SBJ銀行

SBJ銀行の超短期定期預金の金利を年利で考える

SBJ銀行の「なのかちゃん」は1週間もので金利が年0.10%です。この金利の1週間(7日)分は、

0.10%×(7日÷365日)=0.001917%(小数点以下第7位切り捨て)

となります。

超短期定期預金の利息の計算

超短期定期預金の利息の計算

超短期定期預金の利息は、具体的にどれくらいの金額を受け取れるのでしょうか?

前の段落の「超短期定期預金の金利を年利で考えると」において、金利を預け入れ期間に応じて引き直して計算したので、かなり小さな金額になりそうです。

1.SBJ銀行の「なのかちゃん」の例

SBJ銀行の「なのかちゃん」の利息の計算

(1)一番金利が高いSBJ銀行の「なのかちゃん」の例で見てみましょう。

SBJ銀行は店頭での最低預入金額は30万円ですので、元金30万円で計算してみます。この場合、1週間後に受け取れる利息は、

300,000円×0.001917%=5.75円

となります。しかし1円に満たない利息は切り捨てになりますので、この場合の利息は5円です。

(2)次に税金についてです。

利子収入なので当然のこととして、この5円の利息に所得税、復興特別所得税、および地方税が課税されます。所得税と復興特別所得税で15.315%、地方税で5%がそれぞれ課税されて、その残りが手取りの利息です。

SBJ銀行の「なのかちゃん」の利息の税金の計算

この場合は利息の5円に対して国税分(所得税+復興特別所得税)で15.315%課税されますが、

5円×15.315%=0.76575円

となって1円に届きません。1円に足りない税金は徴収できないので、切り捨てとなって税額は0円です。同様に地方税は、

5円×5%=0.25円

となり、これも税額が0円です。これで、SBJ銀行の「なのかちゃん」に30万円を1週間預け入れたとき、受け取れる利息は5円だと分かります。

2.東京スター銀行の「スターワン1週間円預金」の例

(1)次に、東京スター銀行の「スターワン1週間円預金」の例です。

東京スター銀行の「スターワン1週間円預金」の利息の計算

東京スター銀行は店頭、インターネット取引ともに最低預入金額は10万円です。先ほどの段落「超短期定期預金の金利を年利で考えると」の「4.東京スター銀行」によると、年0.05%なら1週間で約0.000958%の利息が付きます。

では、この「スターワン1週間円預金」に10万円を預けたときの利息は、

100,000円×0.000958%=0.958円

となり、受け取れる利息は1円に届きません。1円未満は切り捨てとなりますので、この場合は利息がまったく付かないことになります。

(2)ここで、東京スター銀行のホームページにある注意書きについてです。

東京スター銀行の「スターワン1週間円預金」の注意書き

赤い文字で「利息が計算上1円未満となった場合には利払いが行われません」と注意が書かれています。

超短期定期預金の利息は、その預け入れ期間の短さと、現在の超低金利の環境を受けて、実際の受取額は非常に小さくなっています。この東京スター銀行の例のように、利用してもまったく利息が付かないケースすらあります。

超短期定期預金を預け入れる場合には、「その1週間あるいは2週間の期間で実際にどれだけ利息が支払われるのか?税金はどうなるか?」をしっかりと確かめます。

超短期定期預金の継続方法

超短期定期預金の継続方法には、どのような種類があるのでしょうか?そして、どのような継続方法を選ぶべきなのでしょうか?

超短期定期預金の継続方法の種類

超短期定期預金の継続方法の種類

期間の長短に関わらず、定期預金の満期日が到来したときの取り扱い方法には3通りあります。

1.満期日に元金と利息を払い出す
2.元金を同じ条件で継続して、利息だけを払い出す(元金継続)
3.元金に利息を加えて、新たな元金として同じ条件で継続する(元利継続)

※ 継続の場合は、当初の申し込みの際に自動継続扱いとするのが原則です。

最後の元利継続は、複利効果がねらえます。効率的に資金を増やすためには元金と利息が雪だるま式に膨れ上がっていく元利継続が基本です。とりあえず使い道のないお金であれば、定期預金なら元利継続、投資信託なら運用途中で分配金を出さない無分配型の商品にお金を置いておくのが常識です。

元利継続が有利とは言えない理由

しかし、今のような超低金利時代の超短期定期預金の場合には、そう単純に「元利継続が有利だ」とは言い切れない理由があります。

(1)1つめは、あまり複利効果が狙えない点です。

元利継続が有利とは言えない理由。あまり複利効果が狙えない

つまり、元金に比べて利息の割合が非常に小さいのです。前にSBJ銀行の「なのかちゃん」を30万円預け入れた例を見ましたが、1週間で得られる利息は5円です。元金が30万円から30万5円になっても、受取利息は変わりません。

これが受取利息6円になるためには、元金が31万3千円必要になり、元利継続でそこにたどり着くまでには実に50年かかります。

【SBJ銀行「なのかちゃん」の例】

313,000円×0.001917%=6.000円

先ほど元金30万円の場合で利息5円にかかる税金の計算を行いましたが、利息が6円になっても国税の課税分(所得税+復興特別所得税)15.315%をかけると

6円×15.315%=0.9189円

となり、税額は切り捨てで0円になります。地方税の5%も

6円×5%=0.3円

となって地方税も0円となり、手取りの利息はそのまま6円となります。

元金が30万円から13,000円分だけ増えれば「なのかちゃん」の手取りの利息は5円から6円に増えますが、元金13,000円分を毎週の利息5円で積み上げるには13,000円÷5円=2,600週間、つまり約50年かかることになります。

50年間も金利水準が変わらない前提に立った机上の計算ではありますが、いまは元利継続の威力はかなり割り引いて考えてよいでしょう。

(2)2つめは、預金保険との関係です。

元利継続が有利とは言えない理由。預金保険との関係

ここまで見てきたとおり、超短期定期預金を利用するには相当大きな額の元金が想定されています。

ここで紹介している超短期定期預金はすべて日本の預金保険制度の対象ですが、預金保険ではペイオフの場合、定期預金の元本1,000万円と破たん日までの利息が保護されます。

超短期定期預金の利息は大きな金額ではないということをここまで繰り返してきましたが、それでも元利継続の場合は利息が元本に組み入れられて、1,000万円を超えてしまうことも懸念されます。

元金継続を選ぶ理由

ここまでの説明から、超短期定期預金の場合は、その元金をいくらに設定するのかが重要であることが理解できます。

元金継続を選ぶ理由

それを踏まえれば、超短期定期預金の自動継続扱いで選ぶべき選択肢は、いまは「元金継続」が適切だと考えられます(なお、SBI新生銀行「2週間満期預金」は「元利継続」を基本とする商品設計なので、ご注意ください)。

ただし、超短期定期預金を「継続扱い」にするならば、という前提に立つ場合です。はじめから長い期間の運用を考えているのであれば、超短期定期預金以外の金融商品に目を向けるのも一法です。

超短期定期預金を継続扱いにして、1週間や2週間ごとに満期日を迎えて利息を取って行くという考え方もあります。しかし、金利はそのつど銀行の戦略で変わりうるものです。

つねに預け入れ条件に目配りができるならそれでも構いませんが、より長い期間の定期預金に比べて超短期定期預金には金利の優位性がそう大きくはありません。

超短期定期預金の利用方法

超短期定期預金の利用方法

超短期定期預金の利用方法としては、どのような場合が考えられるでしょうか?

ここまで金利を中心に超短期定期預金の特徴を見てきましたが、実際に超短期定期預金を利用するケースを想定して具体的に検討してみましょう。

超短期定期預金が役立つ場合

超短期定期預金が本当に役立つのは、比較的まとまった単位のお金で、将来の資金使途が決まっており、その時期までの短い期間を安全に運用したい場合です。

超短期定期預金が役立つ場合

では、現在の超短期定期預金の金利水準は、1年もの定期預金などと比べて優れているのでしょうか?また本当に超短期の運用なら、普通預金などのいつでも払い出せる預金と比べての良い点とそうでない点も確かめておく必要があります。

まず、この2つのポイントについて確認していきます。

1.超短期定期預金と、より長い期間の定期預金の金利の比較

超短期定期預金とより長い期間の定期預金の金利を比べるとき、そもそも個々の金融機関によって提示する定期預金の金利の水準がかなり違うことに注意する必要があります。

超短期定期預金とより長い期間の定期預金の金利の比較

(1)みずほ銀行などのメガバンクでは、現在の超低金利の環境を反映して、スーパー定期の店頭表示金利は相当低い水準です。2024年4月1日現在、みずほ銀行では、期間1ヵ月ものから10年ものまで、すべての期間の定期預金の店頭表示金利が年0.002%です。

このほか、地方銀行などの多店舗展開を行っている銀行・金融機関でも、定期預金の店頭表示金利は預け入れ期間を問わず、年0.002%の設定がほとんどです。

インターネット専業銀行では定期預金金利は高めに設定されています。

(2)個人の資産運用ニーズへの対応を狙っているインターネット専業銀行では、定期預金金利は高めに設定されています。例えば1年もの定期預金金利は、大和ネクスト銀行では年0.05%です(2024年4月1日現在)。

また、SBJ銀行が1年もの定期預金の金利が年0.12%、2年もので年0.15%の金利を提示しています(2024年4月1日現在)。他にも、ソニー銀行も夏冬のキャンペーン期間には有利な金利の定期預金を提供しています。

(3)SBI新生銀行とオリックス銀行は、超短期定期預金の最低預け入れ金額が50万円以上です。元金が50万円以上であれば受取利息が0円になることはないので、本当に1週間や2週間の短い運用ニーズであれば、それに応えられる商品です。

元金が10万円程度なら、利息が0円となるリスク

しかし、元金が10万円程度なら先ほど見たように、楽天銀行や東京スター銀行に持ち込んでも利息が0円となる可能性があります。ですので、「超短期だからとりあえず預けておこう」などとは考えられません。

運用期間が1ヵ月に満たなくて、かつ比較的まとまった資金を預け入れる場合にのみ、検討の対象になりえます。

2.超短期定期預金と、普通預金の金利の比較

超短期定期預金と普通預金の金利も比べておく必要があります。わざわざ定期預金に預けなくても、いつでも払い出せる普通預金などで高い金利が提供されていれば、利便性が高いからです。

普通預金の金利は、日本銀行の低金利政策を反映して非常に低くなっています。

(1)普通預金の金利は、日本銀行の低金利政策を反映して非常に低くなっています。メガバンクを始めとする店舗展開型の金融機関では、年0.001%が一般的です。

インターネット銀行でもあえて普通預金の金利を高めに設定している銀行はあまりなく、ソニー銀行と住信SBIネット銀行ではメガバンクの普通預金と同じく年0.001%、大和ネクスト銀行が年0.005%です(2024年4月1日現在)。

楽天銀行では1週間もの定期預金と2週間もの定期預金の金利も、普通預金の金利と同じ年0.02%です。

(2)超短期定期預金を提供している5つの銀行の普通預金の金利設定は、SBI新生銀行と東京スター銀行で年0.001%、オリックス銀行は年0.01%、楽天銀行とSBJ銀行では年0.02%となっています。

楽天銀行では1週間もの定期預金も、普通預金の金利と同じ年0.02%です。これでは事実上、超短期定期預金に預け入れる意味はありません(2024年4月1日現在)。

楽天銀行のこの金利設定から、「いまは1週間もの定期預金は集めていません、無理に預けなくてもけっこうです。」という楽天銀行のホンネがわかります。

超短期定期預金と普通預金の金利の比較のまとめ

(3)まとめると、超短期定期預金の金利としては、少なくともオリックス銀行(2週間もの)、東京スター銀行(1週間もの)が提供する年0.05%以上を対象としたいです。

そして1ヵ月に満たない期間の資金運用で、最低でも50万円程度のお金を預ける場合に、検討の対象になりえます。

ただし現在の低金利の環境下では、利息の額がそう大きくないことと、少なくとも普通預金の金利よりは高くない限り、超短期定期預金を利用する意味はありません。

超短期定期預金を利用するときの注意点

超短期定期預金を利用する注意点には、どのようなものがあるでしょうか?

超短期定期預金の利息と手数料のバランス

超短期定期預金の利息と手数料のバランス

超短期定期預金で得られる利息は小さな金額なので、その金額よりも銀行に支払う手数料が多ければ元も子もありません。

たとえば、超短期定期預金を利用するために新しい銀行口座を開設しても、いままで自分が使ってきた古い銀行口座からの資金の移動で他行宛振込手数料がかかれば、それだけで新しい銀行の超短期定期預金で運用する意味(利息)は吹き飛んでしまいます。

また、銀行のATM手数料もかさみます。

超短期定期預金を利用するための条件

超短期定期預金を利用するための条件

超短期定期預金を提供している5つの銀行では、いずれも普通預金(出し入れ自由な預金口座)の開設が、超短期定期預金を預け入れるための条件です。

これらの5つの銀行は、店舗やATMネットワークが限られているため、お金の出し入れをする際には、振込(銀行間の送金)か他の銀行の提携ATMネットワークに頼らざるを得ません。これらのネットワークを利用するために、普通預金口座が必要となります。

超短期定期預金の取引手順

超短期定期預金の取引手順

超短期定期預金を提供している銀行において、共通して想定している取引手順は以下のような流れです。

(1)来店、郵送、インターネット等の方法で普通預金口座を開設する。
(2)その口座に入金して、インターネット経由で定期預金を作る(金額・期間等を指示)。
(3)定期預金を満期日で解約扱いとする場合は、元金と利息を普通預金口座に振替える。
(4)その普通預金口座からインターネット取引を経由して、他の銀行への送金する。

超短期定期預金の振込手数料

超短期定期預金の振込手数料

超短期定期預金は得られる利息が少ないので、ある程度まとまった金額で利用しないと意味がありません。

そして超短期定期預金を提供している銀行で、超短期定期預金を運用して得られるお金(元金と利息)を他の銀行に移動させるときには、振込扱いとするのが現実的です。

銀行ごとに条件は異なりますが、インターネット取引を利用すれば最低でも月に2回は他行宛振込手数料が無料にできます。

逆に言えば、振り込みで余計なコストがかかれば、超短期定期預金を通じて個人の預金を集められないので、これらの銀行ではインターネットの利用等を条件として、他の金融機関への出金を無料でできるように取引条件を設定しています。

超短期定期預金の利用価値

超短期定期預金の利用価値

超短期定期預金は、限られた銀行が提供する一定の限られた条件の下でのみ、使い道がある金融商品だと考えた方がよいです。

また、ある銀行に超短期定期預金の商品があったとしても、楽天銀行のように普通預金と同じ水準の金利であれば、事実上は利用価値がありません。それに各銀行が提供する超短期定期預金の金利も、現状はそう高いわけではありません。

超短期定期預金は預金を集める武器

超短期定期預金は預金を集める武器

超短期定期預金を扱う5つの銀行は、いずれもあまり広範な店舗ネットワークを持っておらず、メガバンクや地方銀行のように広く薄く多くの個人から預金を集めることが得意ではありません。

それらの銀行がどうしても超短期の預金を効率よく集めたくなったら、そのときは超短期定期預金の金利を素早く引き上げるでしょう。

そういった銀行が自らの弱点(預金集め)を補う「武器」が、超短期定期預金だとも言えます。

個人が超短期定期預金を利用するには

個人が超短期定期預金を利用するには

このように超短期定期預金は、提供する各銀行の思惑もからんで、非常に微妙な商品設定のバランスの上に成り立っています。

個人が超短期定期預金を効果的に利用するには、金利の動き、税金、手数料など、非常に多くのポイントを自分自身で確かめて、インターネット経由で(つまり自分自身で預け入れ条件を打ち込んで)すべて自己責任で取引をする必要があります。

これらの点を総合的に考えれば、超短期定期預金は定期預金の一種ですが、金融情勢、税制、各種の金融取引に精通している人向けの金融商品だと思われます。

< 戻る | 進む >

定期預金の金利の比較

メニュー

Copyright (C) 2008-2024 定期預金の金利の比較 All Rights Reserved.