マイナス金利下での資産運用

日本銀行がマイナス金利を導入してから、定期預金などの金利収入を目的とする金融商品は軒並み運用利回りが低下しています。

短期よりも中長期での運用が望ましい

日銀が導入したマイナス金利政策によって、資産運用の重要性がますます高まっています。マイナス金利の導入決定以降、市場金利(10年国債が取引されている金利水準)が低下していることに加えて、定期預金などの銀行の預金金利も引き下げられており、主に金利収入を目的とする金融商品は軒並み運用利回りの低下を余儀なくされています。

また、マイナス金利政策は金融緩和策の一つです。2012年末に自民党政権となり、第二次安倍内閣が発足して以降、アベノミクスといわれる経済政策を実施していますが、この政策による日本経済の景気回復シナリオは継続的に物価を上昇させるサイクルを形成することにあります。正常な物価上昇の継続は、国内経済そのものが成長している証でもあり、物価の上昇をもたらす手段として効果的な金融緩和策を推し進める延長として、マイナス金利は導入されていると考えられるでしょう。

しかし物価の上昇は、言い換えれば実質的なお金の価値を低下させることになります。本来、物価の上昇とともに給与や預貯金の金利が上昇することで、物価上昇をあまり感じさせないように、中央銀行が物価の安定を図ることが多いと考えられます。しかし、日本の場合はデフレーション(物価が下落した状態)が根深いため、国や日銀が主導で物価の引き上げを図っていますが、給与や預貯金の金利などが物価の上昇に連動するかは不透明です。そのため、物価の上昇に備えた金融商品でお金の実質的な価値の低下を防衛することに注目が集まっていると考えられるでしょう。

マイナス金利が導入されて、普通預金や定期預金などの銀行預金の金利は軒並み低下していますが、私たちの生活において元本の安全性が高く、いつでも換金できる資金を貯め置くことは必要です。そのため資産運用とはいえ安全性を確保する意味で、定期預金などでの運用は切り離すべきものではありません。現在の銀行を取り巻く環境は、短期的にはマイナス金利で厳しさを増しているとみられていますが、逆にみれば安全性が高まっているともいえます。日銀は、物価の安定を図るべく、様々な金融政策を実施する一方で、金融庁は今回のマイナス金利が銀行などの金融機関の経営状況にどのような影響を与えているかを注視する動きもみられます。監督官庁との連携した金融政策の実施は、言い換えれば金融機関の安全性を高めているともいえるでしょう。

こうした状況下で銀行預金を利用する際には、信用力の高い大手銀行の利用にこだわる必要はなく、非対面ですが利便性が高まっている楽天銀行などのネット銀行やショッピングポイントなどのサービスを銀行でも活用できるイオン銀行などの小売業系列の銀行を利用することも有用だと考えられます。これらの銀行は、同業他社と比較しても銀行預金の金利を高めに設定しています。また、全国に提携ATMも多く手数料も安く設定されており、利便性が高いことも特徴的です。

安全性が高い金融商品として、国債などの債券で運用する方法もあります。市場金利が基準となりますので、マイナス金利の導入によって低下した表面利率によって債券の運用利回りは低下しており、投資妙味は薄れています。ただし、変動10年の個人向け国債については、低金利や物価の上昇に対応できる商品性となっています。変動10年の個人向け国債は6ヵ月で適用金利を見直し、実体経済に即した金利で運用できることに加えて、換金性も高く、償還時には元本は目減りしません(ただし、個人向け国債を途中で解約する場合は、直近2回分の利子相当分を差し引いた中途換金調整額が差し引かれるため、元本金額は目減りします)。金利上昇局面における安全性を重視した運用を行う場合には、固定金利ではなく、変動金利を採用した金融商品を活用することが効率的な資産運用につながるため、変動10年の個人向け国債は有用な投資と考えられます。

安全性の高い金融商品については、金利上昇のリスクに備える必要もありますので、長期運用よりも短中期運用を行うことが望ましいと考えられます。なぜなら、マイナス金利は実施期間や期限を設けているわけではなく、日本銀行が想定する景気動向に至った場合は、突如としてマイナス金利を終了させる可能性があるからです。確かに、現在の市場金利は大幅に低下していますが、マイナス金利が終了した場合には景気改善を理由に市場金利が上昇に転じる可能性があります。一般に、定期預金はを中途解約する際には、金利が低い中途解約利率が適用されるため、あまり中途解約はおすすめできません。そのため、金利上昇局面が想定される場合、長期の定期預金は望ましくないと考えられます。また、長期国債などは金利上昇局面において債券の単価が下がるため、評価損、または低い金利で満期まで保有せざるを得ないという機会損失を被る可能性が出てきます。金利上昇のリスクに備えるべく、換金性や時勢にあった金利水準で運用できる、短中期での運用の継続が望ましいと考えられます。

物価上昇への備えを目的とする場合は、株式や投資信託などのリスク商品を分散投資することが望ましいと考えられています。過去には第二次安倍政権の発足以来、日経平均株価を始めとする多くの日本株は相次ぎ急騰し、国内の株式市場が久方ぶりの活況を極めたことは記憶に新しいことでしょう。いわゆる物価上昇に負けない金融商品が、物価上昇への備えとして選択されているわけです。

またマイナス金利の導入によって、さらに市場金利が低下したことを受けて、不動産投資への注目も集まっています。不動産投資については、日銀が金融緩和策の一環として金融市場からJ-REIT(上場不動産投資信託)の買い入れを継続しており、価格の安定が図られています。J-REITは様々な投資家から資金を募り、その資金で不動産を購入し運用している商品です。J-REITに組入れられた資産は大都市圏や地方の一等地の物件が多く、また、2020年には東京オリンピックも開催されるため、不動産の用途や需要が高まることが予想されるため、不動産価値は高まりやすい状態にあります。さらに、低金利によって新たな不動産を調達する際のコストを圧縮できることから、相対的に運用利回りも高く、将来の物価の上昇と低金利の両方の恩恵を受けられる金融商品として選択されています。

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