銀行のATMは設置する銀行側にとっては金銭的におおきな負担を強いられるので、現在、台数が減らされる傾向にあります。一例としては、あおぞら銀行は自社ATMを撤廃して、ゆうちょ銀行ATMに置きかえています。また三菱UFJ銀行も自社のATMの台数を2〜3割ほど削減しています。
インターネット銀行もこのような傾向と無縁ではありません。インターネット銀行といえば、ATMの利用手数料が無料であることが多かったのですが、最近では有料化に方針をかえる銀行が増えてきています。下にある表を見ると分かりますが、インターネット銀行でもATM手数料が無料の銀行と有料の銀行に分かれています。
主だったインターネット銀行において、誰もが手数料無料で入出金できるATMを表にします。表では無料で使える提携ATMが多い銀行を上から順に並べます。
とくにインターネット銀行に注目をしたのは、一般の銀行(都市銀行、地方銀行など)に比べて、はるかにATM手数料の無料化がすすんでいるからです。
この場合の「ATM手数料の無料」とは、ATMの入金と出金と残高照会が無料ということです(振込はここでは省いています)。たとえば、「月に2回までの出金なら無料」「銀行取引でポイントをためると無料」などといった条件付きのものは理解がむずかしく、使い勝手もよくないので省いています。
ここで表にしているのは、無条件で月に何回使っても手数料が無料(0円)のATMです。つまりその銀行に口座開設をした人なら、誰もがずっと無料で使えるATMということです。
銀行名 | 無料で使える(提携)ATMの種類 |
イオン銀行 | イオン銀行(24時間365日) |
静岡銀行インターネット支店 | しずぎんATM、セブン銀行ATM、イオン銀行 |
あおぞら銀行 | ゆうちょ銀行、郵便局 |
楽天銀行 | なし |
auじぶん銀行 | なし |
オリックス銀行 | なし |
住信SBIネット銀行 | なし |
PayPay銀行 | なし |
GMOあおぞらネット銀行 | なし |
新生銀行 | なし |
SBJ銀行 | なし |
ソニー銀行 | なし |
(2020年10月29日現在)
※ 表の中の(24時間365日)とは、土日祝を含めて1年365日・24時間ずっと使えるATMです。その他のATMは、平日の日中に無料で使えると考えてください。
※ それぞれの提携ATMごとに、利用できる時間に少々の違いがあったり、休止時間のある場合があります。
銀行のATMは、今では生活に欠かせないものの一つになっています。当初ATMは、銀行の施設内のキャッシュコーナーなどに併設されているものでした。しかし、今では全国にあるコンビニATMやゆうちょ銀行ATMをはじめとして、駅、スーパー、テーマパーク、高速道路SA、空港などの様々な場所に、各金融機関のATMや提携ATMが存在しています。
ATMがより普及した原因は、ネット銀行の誕生によるところが大きいです。ネット銀行は自社店舗が無かったり、実際に建物があっても数が極端に少ないです。そのためにネットバンク(ネット銀行)各社は、現金の入出金をキャッシュカードで行えるように、全国にあるコンビニATMやゆうちょ銀行ATMを提携ATMとして顧客に提供しています。さらに、自社ネットバンクの普及のためにATM手数料を無料にするサービスなどを実施しており、それが多くの顧客獲得につながっています。
以前のATMは銀行に併設されていたものが多かったため、利用時間も短く、夜間に利用する場合は高額の手数料が必要でした。しかし今では24時間営業のコンビニへ出向けば、早朝でも深夜でも都合の良い時間にATMの利用ができます。金融機関の中には24時間365日、いつでもATM手数料が無料のものもあります。
多くのATMの機能としては、現金の入金や出金、振込、残高照会などがあります。最新のATMはこの取引をベースにして、さらに進化を続けています。たとえば、ATM宝くじサービスを実施していたり、硬貨が扱えたり、定期預金が組めたり、記帳がいっぱいになった通帳を新しく発行できたりなど、新しい機能を搭載したマシーンが登場しています。
このようにしてATMが多くなると、各金融機関では自分のサイトにATM検索ページを設けたり、スマホアプリにATM情報を公開するようになりました。自宅付近や会社の近辺はもちろん、出先で急に銀行取引が必要なった場合でも、どこにATMがあるのかが瞬時に確認できます。