中国の国内地域格差・沿岸部

工業化を進めるにあたって正統的なのが、農業を通じての工業化です。

農業の発展の地域差

それでは、沿岸部ではどうでしょうか。中国東部沿岸部における工業発展、そのバックグラウンドにあったと考えられる条件を考えてみましょう。

まず、工業化を進めるにあたって正統的ともいえるのが、農業を通じての工業化です。国が発展していない時代の主要産業は、農業。農業が、労働力や発展資金の主な供給源となり、農業生産性の改善が国の発展に大きく関わります。そう考えると、農業の発展が工業化にあたっての第一歩となり、工業化に続く道となることが想像できますね。

広大な国土を持つ中国ですから、農業の発展は地域によって大きな差があります。しかも、農業に適した土地の割合は意外と低く、西南エリアや西北エリアは特に不利です。一方で、上海や江蘇省など揚子江に近いエリア、また、黄河流域の山東省や、広東省の珠江デルタ地域は、土地が肥沃で農業に適しています。

中でも揚子江沿いの江南エリアは、伝統的に農業の発展が目覚しかったようです。つまり、農村の工業化が他のエリアに比べて早かったということ。実際に、江南エリアにある江蘇省では1970年代に入ると農業就業者の減少が顕著になったという記録が残っています。

もうひとつ、沿岸部には工業化に欠かせない条件があります。それは、豊かな海外諸国と繋がる港があるということです。特に、アジアの主要港を経由する欧州航路と北米航路は国際貿易において重要で、華南エリアにある福建省と、90年代から加勢した上海港が、中国の貿易発展と工業化に貢献してきました。

農業における有利な条件・肥沃な土地と、貿易における有利な条件・海と港。これら2つの条件から、中国東部の沿岸部は成長を続け、中国の経済発展を支えるまでになったのです。

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