地方銀行は、特定の都道府県や地域を主な営業基盤とし、地域の個人や企業に金融サービスを提供する銀行です。
普通預金や定期預金、住宅ローン、振込などの一般的な銀行サービスに加え、地域企業への融資、創業支援、事業承継、販路開拓、人材紹介などを通じて地域経済を支えています。
店舗やATMが生活圏に多く、窓口で相談しやすいことは地方銀行の大きな利点です。一方、営業地域を離れると店舗やATMが少なくなり、定期預金金利や振込手数料ではネット銀行のほうが有利な場合があります。
このページでは、地方銀行の特徴、メリット・デメリット、メガバンク・ネット銀行・信用金庫との違い、定期預金を選ぶ際の注意点を解説します。
※掲載内容は2026年7月31日時点で確認した一般的な情報です。商品、金利、手数料、利用条件は銀行ごとに異なり、変更されることがあります。実際に利用する際は各銀行の公式サイトで最新情報をご確認ください。
地方銀行は、本店を置く都道府県とその周辺地域を中心に店舗網を展開しています。地域内では長年の取引を通じて、住民、自治体、学校、病院、地元企業などとの関係を築いています。
地域内に支店やATMが多く、給与振込、公共料金の引き落とし、税金の納付、住宅ローン、年金受取など、日常生活のさまざまな場面で利用されています。自治体の指定金融機関や収納代理金融機関となっている地方銀行もあります。
全国地方銀行協会によると、加盟する地方銀行は、店舗・ATM網を通じて個人や中堅・中小企業のニーズに対応し、地域のネットワークを活用した経営支援にも取り組んでいます。
地方銀行の役割は、預金を受け入れて融資を行うことだけではありません。地域企業に対して、次のような支援を行っています。
地域の企業について継続的に情報を得やすいため、決算書の数字だけでは分かりにくい事業内容や将来性も含め、長期的な関係を前提とした支援が期待できます。
ただし、地方銀行であれば必ず融資を受けやすい、貸し渋りがないという意味ではありません。融資の可否や条件は、事業内容、返済能力、財務状況、担保や保証、銀行の審査方針などによって決まります。
営業基盤となる地域では、駅前、住宅地、商業施設、自治体庁舎の周辺などに支店やATMが設置されていることが多く、現金の入出金や窓口手続きを行いやすい傾向があります。
預金、住宅ローン、教育ローン、資産運用、相続、事業資金などについて、地域の店舗で相談できます。インターネットだけで手続きを完結することに不安がある人には利用しやすい銀行です。
地方銀行によっては、退職金専用定期預金、年金受取者向け定期預金、子育て世帯向け商品、地域スポーツチームの成績に連動する定期預金、環境保全に寄付する定期預金など、地域性のある商品を取り扱っています。
給与振込、年金受取、公共料金の引き落とし、住宅ローン、クレジットカードなどの取引をまとめると、ATM手数料や振込手数料の優遇を受けられる銀行があります。
転勤、進学、転居などで営業地域を離れると、支店や自行ATMが見つかりにくくなる場合があります。提携ATMを利用できても、時間帯や取引内容によっては手数料がかかります。
地方銀行は期間限定の定期預金キャンペーンを実施することがありますが、通常の定期預金金利はネット銀行より低い場合があります。地方銀行だから有利、または不利と一括りにせず、預入期間と適用条件を個別に比較することが必要です。
ATM手数料や振込手数料は、利用するATM、曜日、時間帯、取引方法、優遇ステージによって変わります。無料回数だけでなく、無料条件を満たせるかも確認してください。
地方銀行では、持株会社の設立、銀行同士の統合、店舗の共同化、支店の移転・統廃合が進むことがあります。長期間利用する場合は、近隣店舗だけでなく、アプリやインターネットバンキングの使いやすさも重要です。
| 金融機関 | 主な特徴 | 向いている人 |
|---|---|---|
| 地方銀行 | 特定地域に強く、店舗・ATM、対面相談、地域企業支援が充実 | 生活圏内で日常的に利用したい人 |
| メガバンク | 大都市圏や全国主要都市、海外に広いネットワークを持つ | 転居や出張が多く、広域で利用したい人 |
| ネット銀行 | 店舗を持たないか少なく、金利や手数料に強みがある場合が多い | スマートフォンやパソコンで取引を完結したい人 |
| 信用金庫 | 営業地域と会員資格が定められ、地域の中小企業や住民を支える協同組織金融機関 | より身近な地域金融機関へ相談したい人 |
地方銀行と信用金庫はどちらも地域密着型ですが、地方銀行は株式会社であり、信用金庫は会員制度を持つ協同組織金融機関です。預金者として口座を利用するだけであれば大きな違いを感じにくいこともありますが、事業融資などでは営業地域や会員資格が関係します。
地方銀行の定期預金を比較するときは、表面上の金利だけでなく、次の項目を確認してください。
高いキャンペーン金利が表示されていても、対象者や預入資金が限定されている場合があります。自分が条件を満たすか、満期後に資金をどこへ移すかまで考えて選ぶことが大切です。
地方銀行は、次のような人に向いています。
反対に、定期預金金利の高さや振込手数料の安さを最優先する人、全国各地で同じように使いたい人は、ネット銀行やメガバンクも含めて比較するとよいでしょう。
地方銀行も預金保険制度の対象金融機関です。利息の付く普通預金や定期預金などの一般預金は、1金融機関につき預金者1人当たり元本1,000万円までと、破綻日までの利息等が保護されます。
同じ銀行に普通預金と定期預金がある場合は、それぞれ別枠ではなく合算されます。1,000万円を超える資金を安全性重視で預ける場合は、複数の金融機関へ分散する方法があります。
なお、外貨預金など預金保険制度の対象外となる商品もあります。商品名だけで判断せず、預け入れ前に対象商品であるかを確認してください。
地方銀行の最大の特徴は、地域内の店舗・ATM、対面相談、地域の個人や企業との長期的な関係にあります。
地方銀行を選ぶ際は、知名度や規模だけではなく、自分の生活圏、定期預金金利、手数料、アプリの使いやすさ、窓口相談の必要性を総合的に比較してください。
日常の決済や相談は地方銀行、貯蓄は金利の高いネット銀行というように、目的別に複数の銀行を使い分ける方法も有効です。
