貯蓄預金

貯蓄預金

貯蓄預金は、普通預金のように自由に入出金でき、預金残高に応じて段階的な金利が適用される預金です。

生活費の決済口座ではなく、いつ使うか決まっていない余裕資金を普通預金から分けて保管することを主な目的としています。

預入期間の定めがないため、定期預金のように満期を待つ必要はありません。一方、給与・年金受取や公共料金・クレジットカード代金などの口座振替には原則として利用できません。

金融情勢によっては、貯蓄預金と普通預金の金利差や、貯蓄預金における残高段階別の金利差が付かない場合があります。

貯蓄預金の基本的な仕組み

項目一般的な内容
預入期間定めなし
預入金額1円以上1円単位など
入出金随時可能
金利変動金利
金利の決まり方預金残高に応じた金額階層別金利
給与・年金受取原則不可
口座振替原則不可
税金利息に原則20.315%の源泉分離課税
預金保険対象

具体的な最低残高、金利区分、ATM・振込の対応範囲は金融機関によって異なります。

金額階層別金利

貯蓄預金では、残高を複数の階層に分け、それぞれの残高区分に応じた金利を適用します。

みずほ銀行では、10万円未満、10万円以上30万円未満、30万円以上50万円未満など、7段階の残高区分を設けています。

ただし、残高区分が多いからといって、すべての段階で異なる金利が設定されるとは限りません。

金融情勢によっては、普通預金との金利差や、貯蓄預金の各残高区分の金利差が付かない場合があります。

たとえば三井住友銀行が公表する2026年8月1日現在のスーパー貯蓄預金は、50万円未満・50万円以上・300万円以上・1,000万円以上のすべての残高区分で年0.300%(税引前)です。同日の普通預金標準金利も年0.300%で、残高区分による金利差も普通預金との金利差もありません。

基準残高を下回る場合

貯蓄預金では、10万円などの基準残高を設ける金融機関があります。

残高が基準額を下回ると、普通預金と同じ金利や、金融機関所定の低い金利が適用される場合があります。

基準残高と適用金利の関係は商品ごとに異なるため、契約前に金利一覧をご確認ください。

自由に入出金できる

貯蓄預金には満期がなく、普通預金と同じように必要なときに払い戻せます。

ATMや窓口から引き出せるほか、同じ銀行の普通預金へ振り替えられる場合があります。

定期預金ほど資金を拘束されたくない一方、生活費とは分けて保管したい資金に向いています。

給与・年金受取には使えない

一般的な貯蓄預金は、給与振込や公的年金の受取口座には指定できません。

日常の収入を受け取りたい場合は、普通預金を利用します。

このため、貯蓄預金だけで家計の受取・支払機能を完結させることはできません。

口座振替には使えない

公共料金、クレジットカード代金、携帯電話料金、保険料などの自動支払いには、原則として利用できません。

貯蓄預金は資金を貯める口座、普通預金は生活費を受け取り支払う口座として使い分けます。

決済機能がないことで貯蓄資金を使い込みにくくなる一方、二つの口座を管理する手間が生じます。

スイングサービス

スイングサービスは、同じ名義の普通預金と貯蓄預金の間で、指定日に一定額や所定の残高超過分を自動振替するサービスです。

普通預金から貯蓄預金へ移す「順スイング」と、貯蓄預金から普通預金へ戻す「逆スイング」があります。

みずほ銀行では、2026年8月17日時点でも貯蓄預金スイングサービスを案内しています。利用条件や手数料は振替方法などによって異なるため、申込前に公式情報をご確認ください。

一方、三菱UFJ銀行の貯蓄預金スイングサービスは、2025年8月31日に取扱いを終了しました。

スイングサービスの有無、振替日、最低振替額、手数料は金融機関によって異なります。

普通預金との違い

比較項目貯蓄預金普通預金
入出金自由自由
預入期間定めなし定めなし
給与・年金受取原則不可可能
口座振替原則不可可能
金利残高に応じた段階金利一律または優遇金利
主な用途余裕資金の保管生活費の受取・支払

普通預金の詳しい解説はこちら

定期預金との違い

比較項目貯蓄預金定期預金
預入期間定めなし1カ月・1年など期間を設定
引き出し随時可能原則として満期まで制限
金利変動金利預入時の固定金利が一般的
金利水準定期預金より低い場合が多い貯蓄預金より高い場合がある
主な用途使う時期が未定の資金一定期間使わない資金

定期預金の詳しい解説はこちら

現在の取扱状況

2026年8月17日時点では、みずほ銀行は貯蓄預金を案内しています。一方、三井住友銀行は既存の貯蓄預金口座の取扱いを継続していますが、新規口座開設は店頭で2006年3月13日から、SMBCダイレクトで2006年4月17日から停止しています。

一方、三菱UFJ銀行は、2022年11月11日に貯蓄預金「スーパー貯蓄」の新規受付を停止しました。既存契約者は引き続き利用できます。

貯蓄預金は現在も利用できる商品ですが、新規受付を停止する金融機関や、関連サービスを縮小する金融機関もあります。

口座開設前には、現在も新規受付を行っているかをご確認ください。

普通預金より必ず高金利とは限らない

貯蓄預金は、普通預金より有利な金利を狙う商品として登場しました。

しかし現在は、ネット銀行や銀行の優遇プログラムによって、普通預金でも高い金利が適用される場合があります。

証券口座、スマホ決済、クレジットカード、給与受取などの連携条件を満たすと、普通預金の優遇金利が貯蓄預金を上回ることがあります。

短期定期預金との比較

すぐに使う予定がない資金は、1カ月・3カ月・6カ月などの短期定期預金とも比較できます。

短期定期預金は満期まで資金が拘束される一方、貯蓄預金より高い金利が適用される場合があります。

いつでも引き出せることを重視するなら貯蓄預金、一定期間使わないことが決まっているなら定期預金が向いています。

利息の計算

貯蓄預金の利息は、毎日の最終残高に所定の金利を適用して計算する商品が一般的です。

利息の付与日は、毎年2回など金融機関所定の日です。

残高区分が変わると、その日の残高に応じた金利が適用されます。

税金

個人が受け取る貯蓄預金の利息には、原則として20.315%の源泉分離課税が適用されます。

税区分税率
所得税・復興特別所得税15.315%
地方税5%
合計20.315%

金融機関が利息から税金を源泉徴収するため、通常は確定申告による精算は行いません。

預金保険制度

日本国内に本店を置く対象金融機関の貯蓄預金は、預金保険制度の対象です。

同じ金融機関にある普通預金、定期預金、貯蓄預金などの対象預金を合算し、預金者1人あたり元本1,000万円までと、破綻日までの利息等が保護されます。

1,000万円を超える部分は預金保険制度による保護の対象外となり、破綻した金融機関の財産状況に応じて支払われます。

貯蓄預金は利息が付くため、決済用預金のような全額保護の対象ではありません。

貯蓄預金のメリット

  • 満期を待たず自由に引き出せる
  • 生活費と貯蓄資金を分けられる
  • 残高に応じて金利が上がる場合がある
  • 普通預金との自動振替に対応する金融機関がある
  • 預金保険制度の対象となる

貯蓄預金のデメリット

  • 給与・年金受取に利用できない
  • 公共料金やカード代金の口座振替に利用できない
  • 普通預金との金利差が付かない場合がある
  • 残高階層があっても各段階の金利が同じ場合がある
  • 取扱金融機関が減っている
  • 普通預金と貯蓄預金の両方を管理する必要がある

貯蓄預金のデメリットの詳しい解説はこちら

向いている人

  • 生活費と余裕資金を分けたい人
  • 資金をいつ使うか決まっていない人
  • 定期預金ほど長く資金を拘束したくない人
  • 実際に普通預金より高い金利が適用される人
  • 普通預金との振替を手間に感じない人

向いていない人

  • 一つの口座で給与受取と支払いを完結したい人
  • 普通預金の優遇金利を利用できる人
  • 一定期間使わない資金を高金利で運用したい人
  • 複数口座を管理したくない人
  • スマートフォンの目的別口座を利用したい人

代替となる商品・サービス

  • 普通預金の優遇金利
  • ネット銀行の目的別口座
  • 積立定期預金
  • 1カ月・3カ月などの短期定期預金
  • 定額自動入金サービス
  • 無利息型の決済用普通預金

口座開設前に確認すること

確認項目確認内容
新規受付現在も口座開設できるか
最低残高金利区分の基準額はいくらか
実際の金利普通預金より本当に高いか
残高階層各段階で金利差があるか
決済機能給与受取・口座振替に使えるか
振替方法普通預金との自動振替に対応するか
ATM・振込利用できる取引と手数料
預金保険同じ金融機関の預金との合計額

よくある質問

貯蓄預金は普通預金より必ず高金利ですか?

必ず高金利ではありません。金融情勢によっては普通預金との金利差が付かない場合があります。

給与や年金を受け取れますか?

一般的な貯蓄預金では受け取れません。普通預金をご利用ください。

公共料金やカード代金を引き落とせますか?

原則として口座振替には利用できません。

自由に引き出せますか?

随時払い戻せます。具体的なATM・振込の対応は金融機関によって異なります。

残高が増えると必ず金利も上がりますか?

必ず上がるわけではありません。残高区分があっても各段階の金利が同じ場合があります。

スイングサービスはどの銀行でも利用できますか?

利用できません。提供していない銀行や、サービスを終了した銀行もあります。

預金保険の対象ですか?

対象です。同じ金融機関にある対象預金を合算し、預金者1人あたり元本1,000万円までと、破綻日までの利息等が保護されます。1,000万円を超える部分は預金保険制度による保護の対象外となり、破綻した金融機関の財産状況に応じて支払われます。

各ページのご案内

貯蓄預金の特徴

貯蓄預金の金利

貯蓄預金のデメリット

まとめ

貯蓄預金は、満期を設けず、自由に入出金しながら余裕資金を普通預金とは別に管理する預金です。

残高に応じた金利が特徴ですが、普通預金より必ず高金利になるわけではなく、給与・年金受取や口座振替にも利用できません。

現在は普通預金の優遇金利や目的別口座、短期定期預金など代替手段も増えています。実際の金利、新規受付、決済機能、スイングサービス、預金保険制度を確認して選びましょう。

※本ページは2026年8月17日時点で各金融機関の公式情報を確認して作成しています。金利、新規受付、手数料、商品・サービス条件等は変更される場合があります。

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