貯蓄預金の最大の特徴は、貯蓄を目的とする預金でありながら、普通預金のように自由に入出金できることです。
満期を設けず、必要なときに払い戻せる一方、給与・年金受取や公共料金・カード代金の口座振替には原則として利用できません。
そのため、日常生活の決済口座ではなく、生活費とは分けて保管したい余裕資金の置き場所として使われます。
旧ページでは「日々のお金を管理する口座として利用できる」「普通預金より高い金利を実現している」と説明していました。しかし、決済機能には制限があり、金融情勢によっては普通預金との金利差や、残高段階別の金利差が付かない場合があります。Version3では、この点を正確に修正しました。
貯蓄預金は、普通預金や当座預金と同じ「要求払預金」に分類されます。
要求払預金とは、預入期間が定められておらず、預金者の払戻請求に応じて随時払い戻される預金です。
満期のある定期預金とは異なり、必要なときに資金を引き出せるため、流動性預金とも呼ばれます。
定期預金ほど資金を拘束されたくない一方、普通預金とは分けて貯蓄したい人に向いています。
貯蓄預金は、一般に1円以上1円単位で預け入れできます。
ATMや窓口から随時払い戻せるほか、同じ銀行の普通預金との振替に対応する金融機関もあります。
ただし、ATM、振込、インターネットバンキングで利用できる取引は金融機関によって異なります。
要求払預金であっても、普通預金と同じ決済機能が備わっているわけではありません。
一般的な貯蓄預金では、次の取引に利用できません。
貯蓄預金は「お財布代わり」には使えても、家計の中心となる決済口座にはできません。
給与受取や口座振替を利用する場合は、普通預金と併用します。
貯蓄預金では、預金残高を複数の階層に分け、その日の残高に応じた金利を適用します。
みずほ銀行では、10万円未満、10万円以上30万円未満、30万円以上50万円未満など、7段階の残高区分を設けています。
残高が増えるほど高い金利が適用される商品設計ですが、実際の金利差は金融情勢によって変わります。
残高区分が設けられていても、各段階の金利がすべて同じになる場合があります。
貯蓄預金は、普通預金より有利な金利を目指して作られた商品です。
しかし現在は、普通預金の金利が引き上げられたり、ネット銀行や銀行の優遇プログラムで高い普通預金金利が適用されたりする場合があります。
みずほ銀行も、金融情勢によって普通預金との金利差や、残高の段階別の金利差が付かない場合があると案内しています。
「貯蓄預金」という商品名だけで判断せず、契約時点の普通預金金利と実際に比較する必要があります。
金融機関によっては、10万円などの基準残高を設定しています。
基準残高を下回る場合は、普通預金と同じ金利や、所定の低い金利が適用されることがあります。
基準残高、残高区分、適用金利の関係は金融機関ごとに異なります。
貯蓄預金の金利方式は、一般に次のように整理できます。
| 金利方式 | 仕組み |
|---|---|
| 金額階層別金利型 | 残高を複数の階層に分け、残高区分ごとに金利を適用する |
| 金額別金利型 | 所定の基準額以上と未満で異なる金利を適用する |
現在の商品では、金額階層別金利型が一般的です。
ただし、金融機関がこれらの名称を商品説明で明示していない場合もあります。
スイングサービスは、普通預金と貯蓄預金の間で、指定日に一定額や所定の残高超過分を自動振替するサービスです。
普通預金から貯蓄預金へ資金を移す「順スイング」と、貯蓄預金から普通預金へ戻す「逆スイング」があります。
みずほ銀行では現在も貯蓄預金スイングサービスを案内しています。
一方、三菱UFJ銀行の貯蓄預金スイングサービスは、2025年8月31日に取扱いを終了しました。
スイングサービスはすべての金融機関で利用できるわけではありません。
普通預金を生活費・決済用、貯蓄預金を余裕資金用として分けると、貯蓄額を把握しやすくなります。
日常の支払いで自動的に残高が減らないため、生活費と貯蓄資金を区別しやすい点が特徴です。
一方、二つの口座を管理し、支払日前には普通預金の残高を確認する必要があります。
| 比較項目 | 貯蓄預金 | 普通預金 |
|---|---|---|
| 入出金 | 自由 | 自由 |
| 預入期間 | 定めなし | 定めなし |
| 給与・年金受取 | 原則不可 | 可能 |
| 口座振替 | 原則不可 | 可能 |
| 金利 | 残高に応じた段階金利 | 一律または優遇金利 |
| 主な用途 | 余裕資金の保管 | 生活費の受取・支払 |
| 比較項目 | 貯蓄預金 | 定期預金 |
|---|---|---|
| 預入期間 | 定めなし | 1カ月・1年など期間を設定 |
| 引き出し | 随時可能 | 原則として満期まで制限 |
| 金利 | 変動金利 | 預入時の固定金利が一般的 |
| 金利水準 | 定期預金より低い場合が多い | 貯蓄預金より高い場合がある |
| 主な用途 | 使う時期が未定の資金 | 一定期間使わない資金 |
貯蓄預金の金利は変動金利です。
金融情勢や銀行の方針により、預金期間中でも金利が変更されます。
定期預金のように、預入時の金利が一定期間固定される商品ではありません。
利息は、毎日の最終残高に、その日の残高区分へ適用される金利を掛けて計算する商品が一般的です。
利息は毎年2回など、金融機関所定の日に口座へ入金されます。
最低付利残高や利息計算単位は金融機関によって異なります。
個人が受け取る貯蓄預金の利息には、原則として20.315%の源泉分離課税が適用されます。
| 税区分 | 税率 |
|---|---|
| 所得税・復興特別所得税 | 15.315% |
| 地方税 | 5% |
| 合計 | 20.315% |
日本国内に本店を置く対象金融機関の貯蓄預金は、預金保険制度の対象です。
同じ金融機関にある普通預金、定期預金、貯蓄預金などを合算し、預金者1人当たり元本1,000万円までと、破綻日までの利息等が保護されます。
貯蓄預金は利息が付くため、決済用預金のような全額保護の対象ではありません。
2026年現在も、みずほ銀行、三井住友銀行などでは貯蓄預金を取り扱っています。
一方、三菱UFJ銀行は、2022年11月11日に貯蓄預金「スーパー貯蓄」の新規受付を停止しました。既存契約者は引き続き利用できます。
商品内容の縮小や関連サービス終了が行われる場合があるため、新規受付と現在の利用条件をご確認ください。
| 確認項目 | 確認内容 |
|---|---|
| 新規受付 | 現在も口座開設できるか |
| 最低残高 | 金利区分の基準額はいくらか |
| 実際の金利 | 普通預金より高いか |
| 残高階層 | 各段階で本当に金利差があるか |
| 決済機能 | 給与受取・口座振替に利用できるか |
| スイング | 自動振替サービスがあるか |
| ATM・振込 | 利用できる取引と手数料 |
| 預金保険 | 同じ金融機関の他の預金との合計額 |
必ず高金利ではありません。金融情勢によって普通預金との金利差が付かない場合があります。
預入期間が決められておらず、預金者の請求に応じて随時払い戻される預金です。
一般的な貯蓄預金では受け取れません。
原則として口座振替には利用できません。
必ず上がるわけではありません。残高区分があっても各段階の金利が同じ場合があります。
利用できません。提供していない銀行や、サービスを終了した銀行もあります。
対象です。同じ金融機関の対象預金と合算して保護されます。
貯蓄預金は、要求払預金として自由に入出金でき、残高に応じた金利が適用される預金です。
高い流動性が特徴ですが、給与・年金受取や口座振替には使えず、普通預金より必ず高金利になるわけでもありません。
生活費と余裕資金を分けたい人には便利ですが、普通預金の優遇金利、短期定期預金、目的別口座なども比較し、実際の金利と使い勝手を確認して選びましょう。
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