貯蓄預金のデメリット

貯蓄預金のデメリット

貯蓄預金は、普通預金のように自由に入出金でき、預金残高に応じて段階的な金利が適用される預金です。

しかし、現在は普通預金でも比較的高い金利を提示する銀行が増え、貯蓄預金を新規に取り扱わない金融機関もあります。

貯蓄預金の最大のデメリットは、自由に入出金できる一方、給与・年金受取や公共料金・クレジットカード代金などの自動支払いに原則として利用できない点です。

旧ページでは「貯蓄貯金」と表記していましたが、銀行の商品名は「貯蓄預金」です。Version3では表記を統一し、スイングサービスや金利、取扱状況を2026年の内容へ更新しました。

貯蓄預金の主なデメリット

デメリット内容
決済口座にできない給与・年金受取、口座振替などに原則利用できない
普通預金との金利差が小さい金融情勢によっては同一金利となる
残高を増やしても金利が上がらない場合がある金額階層別でも各段階が同じ利率になることがある
取扱金融機関が限られる新規受付を停止した銀行もある
資金移動に手間がかかる普通預金との振替が必要になる場合がある
決済用預金ではない預金保険による全額保護の対象ではない

給与・年金の受取口座にできない

貯蓄預金は、預入期間の定めがなく、いつでも払い戻せる要求払預金です。

しかし、一般的な普通預金とは異なり、給与や公的年金の受取口座として利用できません。

勤務先や年金支払機関からの振込に対応しないため、生活資金の受取口座としては不向きです。

日常生活の中心口座として使うには、普通預金の方が便利です。

公共料金やカード代金の口座振替に使えない

貯蓄預金は、電気・ガス・水道料金、携帯電話料金、クレジットカード代金、保険料などの自動支払いに原則として利用できません。

そのため、生活費を一つの口座にまとめたい人は、普通預金と貯蓄預金の両方を管理する必要があります。

口座振替に使えないことは、貯蓄資金を日常の支払いから分離できるメリットにもなりますが、利便性の面ではデメリットです。

振込の受取や送金に制限がある場合

貯蓄預金への振込入金や、貯蓄預金からの振込については、金融機関や取引方法によって対応が異なります。

ATM、窓口、インターネットバンキングで振替できる場合でも、普通預金と同じ機能がすべて使えるとは限りません。

契約前に、振込入金、振込出金、ATM、オンライン取引の対応範囲をご確認ください。

普通預金との金利差がない場合がある

貯蓄預金は、残高に応じて金利が段階的に上がる商品として設計されています。

ただし、金融情勢によっては、貯蓄預金と普通預金の金利が同じになる場合があります。

貯蓄預金という名称だけで、必ず普通預金より高金利になるわけではありません。

みずほ銀行や三井住友銀行も、金利情勢によって普通預金との金利差や、残高段階別の金利差が付かない場合があると案内しています。

金額階層別金利が形骸化する場合がある

金額階層別金利とは、預金残高が一定額を超えるごとに、より高い金利を適用する仕組みです。

たとえば、50万円未満、50万円以上300万円未満、300万円以上1,000万円未満などの階層を設けます。

しかし、各階層の金利がすべて同じ場合、残高を増やしても利息は増えません。

契約前には「階層があるか」ではなく、「各階層の実際の適用金利が異なるか」を確認してください。

普通預金の優遇金利に負ける場合がある

現在は、ネット銀行や銀行の優遇プログラムにより、普通預金へ高い優遇金利が適用されることがあります。

証券口座、スマホ決済、クレジットカード、給与受取などとの連携条件を満たすと、貯蓄預金より普通預金の方が高金利になる場合があります。

普通預金なら給与受取や口座振替も利用できるため、金利と利便性の両方で有利になることがあります。

取扱金融機関が減っている

貯蓄預金は、以前は都市銀行を中心に広く提供されていましたが、現在は新規受付を停止する金融機関もあります。

三菱UFJ銀行は、2022年11月11日に貯蓄預金「スーパー貯蓄」の新規受付を停止しました。既存契約者は引き続き利用できます。

今後も商品内容やサービスが縮小・終了する可能性があるため、長期利用では取扱状況の確認が必要です。

スイングサービスが利用できない・終了する場合がある

スイングサービスは、普通預金と貯蓄預金の間で、毎月一定額や残高超過分を自動振替するサービスです。

普通預金の余剰資金を貯蓄預金へ移したり、支払日前に貯蓄預金から普通預金へ戻したりできます。

ただし、すべての金融機関が提供しているわけではありません。また、振替条件や手数料も金融機関によって異なります。

三菱UFJ銀行の貯蓄預金スイングサービスは、2025年8月31日に取扱いを終了しました。

旧ページのように、スイングサービスを一般的な解決策として常に利用できるとは限りません。

資金管理が複雑になる

給与受取や口座振替は普通預金、貯蓄資金は貯蓄預金というように分けると、口座残高を二つ管理する必要があります。

支払日前に普通預金へ資金を戻し忘れると、残高不足になる可能性があります。

現在は銀行アプリの目的別口座、複数普通預金口座、定額自動入金など、より管理しやすい代替サービスもあります。

積立機能が標準で付いているとは限らない

貯蓄預金へ毎月資金を移せば積立口座として利用できますが、貯蓄預金そのものに自動積立機能が付いているとは限りません。

金融機関のスイングサービス、自動振替、定額自動入金などを別に申し込む必要があります。

積立額の変更や停止、振替日なども確認してください。

短期定期預金より金利が低い場合がある

貯蓄預金はいつでも払い戻せるため、定期預金より流動性が高い商品です。

その反面、期間限定の定期預金キャンペーンや短期定期預金より金利が低い場合があります。

すぐ使う可能性がない資金は、1カ月・3カ月・6カ月などの短期定期預金と比較するとよいでしょう。

中途半端な商品になりやすい

貯蓄預金は、普通預金より制約が多く、定期預金より金利が低い場合があります。

そのため、次のような状態になりやすい点がデメリットです。

  • 生活口座としては決済機能が不足する
  • 貯蓄口座としては普通預金との金利差が小さい
  • 長期運用では定期預金より金利が低い
  • 資金移動や口座管理に手間がかかる

ただし、「いつでも使えるが、生活費とは分けたい」という目的には適しています。

貯蓄預金と普通預金の違い

比較項目貯蓄預金普通預金
入出金自由自由
給与・年金受取原則不可可能
口座振替原則不可可能
金利残高に応じた段階金利一律または優遇金利
主な用途一時的な貯蓄資金生活資金・決済
決済用預金への切替通常不可対応商品あり

普通預金の詳しい解説はこちら

貯蓄預金と定期預金の違い

比較項目貯蓄預金定期預金
預入期間定めなし1カ月・1年など期間を設定
引き出し随時可能原則として満期まで制限
金利変動金利預入時の固定金利が一般的
金利水準定期預金より低い場合が多い貯蓄預金より高い場合がある
主な用途使う時期が未定の資金一定期間使わない資金

利息と税金

貯蓄預金の利息には、普通預金や定期預金と同様に、個人の場合は原則20.315%の源泉分離課税が適用されます。

税区分税率
所得税・復興特別所得税15.315%
地方税5%
合計20.315%

預金保険制度

日本国内に本店を置く対象金融機関の貯蓄預金は、預金保険制度の対象です。

同じ金融機関の普通預金、定期預金、貯蓄預金などを合算し、預金者1人当たり元本1,000万円までと、破綻日までの利息等が保護されます。

貯蓄預金は利息が付くため、無利息・要求払い・決済機能という3条件を満たす決済用預金ではありません。全額保護の対象ではない点に注意してください。

貯蓄預金が向いている人

  • 生活費と貯蓄資金を明確に分けたい人
  • 資金をいつ使うか決まっていない人
  • 定期預金ほど長く資金を拘束したくない人
  • 普通預金より高い金利が実際に適用される人
  • 普通預金との振替を手間に感じない人

貯蓄預金が向いていない人

  • 給与受取や口座振替を一つの口座にまとめたい人
  • 普通預金の優遇金利を利用できる人
  • 長期間使わない資金を高金利で運用したい人
  • 複数口座の管理を増やしたくない人
  • 自動積立や目的別管理をアプリで完結したい人

代替手段

貯蓄預金が目的に合わない場合は、次の商品・サービスを比較できます。

  • 普通預金の優遇金利
  • ネット銀行の目的別口座
  • 積立定期預金
  • 1カ月・3カ月などの短期定期預金
  • 定額自動入金サービス
  • 無利息型の決済用普通預金

契約前に確認すること

確認項目確認内容
新規受付現在も口座開設できるか
実際の金利普通預金より本当に高いか
残高階層各階層の金利差があるか
決済機能給与受取・口座振替に使えるか
振替方法普通預金との自動振替に対応するか
手数料ATM・振替・振込に費用がかかるか
預金保険同じ金融機関の預金との合計額

よくある質問

貯蓄預金は普通預金より必ず高金利ですか?

必ず高金利ではありません。金融情勢によっては普通預金と同じ金利になる場合があります。

給与や年金を受け取れますか?

一般的な貯蓄預金では受け取れません。普通預金をご利用ください。

クレジットカード代金を引き落とせますか?

原則として口座振替には利用できません。

自由に引き出せますか?

随時払い戻せます。ただし、ATMや取引方法の条件は金融機関によって異なります。

残高が増えると必ず金利も上がりますか?

必ず上がるわけではありません。金額階層があっても各階層の金利が同じ場合があります。

スイングサービスはどの銀行でも利用できますか?

利用できません。提供していない銀行や、サービスを終了した銀行もあります。

預金保険の対象ですか?

対象です。同じ金融機関の対象預金と合算し、元本1,000万円までと破綻日までの利息等が保護されます。

まとめ

貯蓄預金は、いつでも資金を引き出せ、残高に応じた金利を受けられる預金です。

一方、給与・年金受取や口座振替に使えず、普通預金との金利差が付かない場合や、残高を増やしても金利が上がらない場合があります。

取扱金融機関やスイングサービスも減っているため、普通預金の優遇金利、目的別口座、積立定期預金、短期定期預金と比較し、実際の金利と使い勝手を確認して選びましょう。

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