インターネットバンキングは、店舗へ行かずに、パソコンやスマートフォンから残高照会、振込、定期預金などを利用できる銀行サービスです。
その歴史は、電話で取引するテレフォンバンキングから始まり、パソコン通信、インターネット専業銀行、携帯電話、スマートフォンアプリ、24時間365日振込へと発展してきました。
現在では、銀行アプリから口座開設、本人確認、振込、資産運用、カード管理まで行える銀行も増えています。
| 時期 | 主な出来事 |
|---|---|
| 1980年代 | 電話によるテレフォンバンキングが普及 |
| 1990年代 | パソコン通信・インターネットを利用した銀行取引が拡大 |
| 2000年 | ジャパンネット銀行が日本初のインターネット専業銀行として設立・営業開始 |
| 2001年 | イーバンク銀行が開業 |
| 2000年代 | 携帯電話向けモバイルバンキング、コンビニATM、ネット決済が拡大 |
| 2010年代 | スマートフォンアプリ、生体認証、ワンタイムパスワードが普及 |
| 2018年 | モアタイムシステムが稼働し、夜間・休日の即時振込が拡大 |
| 2020年代 | アプリ完結型口座、オープンAPI、パスキー・端末認証が発展 |
インターネットが一般家庭へ普及する前は、固定電話やプッシュホンを使って銀行取引を行うテレフォンバンキングが提供されていました。
利用者は専用番号へ電話し、暗証番号などで本人確認を行い、残高照会、入出金明細、振込などを利用しました。
テレフォンバンキングは、「店舗へ行かずに銀行取引を行う」という考え方を広め、後のインターネットバンキングの基礎となりました。
1980年代後半から1990年代にかけて、銀行の基幹システム、店舗、ATMを結ぶオンライン化が進みました。
同時に一般家庭へパソコン通信やインターネットが普及し、銀行はパソコンから残高照会や振込を行うサービスを提供するようになりました。
初期には専用ソフトやダイヤルアップ接続を使うものもあり、現在より利用開始の手続きは複雑でした。
ウェブブラウザを使うサービスが登場すると、専用ソフトを使わず銀行サイトへアクセスできるようになりました。
都市銀行を中心に、残高照会、入出金明細、振込・振替などのサービスが相次いで提供されました。
当初は利用時間や対象取引が限られていましたが、銀行システムと通信技術の発展により、機能が徐々に拡大しました。
2000年9月、日本初のインターネット専業銀行として「株式会社ジャパンネット銀行」が設立され、同年10月に営業を開始しました。
インターネット、電話、ATMを主要な取引チャネルとし、普通預金、定期預金、振込、小口ローンなどをオンライン中心で提供しました。
インターネットオークションや電子商取引の決済にも利用され、ネット専業銀行という新しい形を社会へ示しました。
ジャパンネット銀行は2021年4月に「PayPay銀行」へ商号変更しました。
2001年には、イーバンク銀行が開業しました。
インターネット決済や振込サービスを中心に利用者を拡大し、ネット専業銀行の定着に大きく貢献しました。
2009年に楽天が親会社となり、2010年5月に「楽天銀行」へ商号変更しました。
楽天銀行は2010年、国内銀行として初めて振込機能を備えた銀行アプリを開始しました。
店舗型銀行も、ネット専業銀行に対抗してオンラインサービスを強化しました。
2000年代には、iモードなどの携帯電話向けインターネットサービスを利用したモバイルバンキングが普及しました。
残高照会や振込を、パソコンを開かずに携帯電話から行えるようになりました。
一方、画面が小さく、入力操作や利用できる機能に制約がありました。
2010年代にスマートフォンが普及すると、銀行取引の中心はウェブブラウザから銀行アプリへ移りました。
アプリでは、残高照会、振込、定期預金、デビットカード管理、通知、本人確認などを一つの画面から利用できます。
指紋・顔認証などの生体認証によって、ログイン操作も簡単になりました。
かつて他行宛振込は、平日の日中以外に受け付けると、翌営業日の入金となるのが一般的でした。
2018年10月9日にモアタイムシステムが稼働し、参加金融機関間では、平日夜間や土日祝日でも即時入金できる時間が大幅に拡大しました。
ただし、すべての金融機関・すべての取引で常に即時入金されるわけではありません。
2010年代後半から、銀行が外部サービスへ安全にデータや機能を提供するオープンAPIの整備が進みました。
家計簿アプリ、会計ソフト、資産管理サービスなどから、銀行口座の残高や明細を取得しやすくなりました。
銀行のID・パスワードを外部サービスへ預ける方式から、銀行が認可した安全性の高い連携方式へ移行しています。
現在は、スマートフォンで本人確認書類と顔を撮影し、来店せずに口座を開設できる銀行が増えています。
紙通帳を発行しないウェブ通帳や、キャッシュカードを使わずスマートフォンでATM取引を行うサービスも登場しました。
利便性が高まる一方で、フィッシング、不正送金、マルウェアなどへの対策も重要になりました。
2020年代には、パスキー、FIDO認証、登録端末による認証など、フィッシング耐性のある認証の導入が進んでいます。
SMS認証やワンタイムパスワードは安全性を高めますが、偽サイトへ入力すると悪用される場合があります。
認証情報そのものを偽サイトへ入力しない仕組みが重視されています。
現在の銀行アプリは、預金だけでなく、カード、証券、保険、住宅ローン、ポイント、スマホ決済などをまとめて管理する方向へ発展しています。
銀行口座は、単独の預金サービスから、決済と資産形成をつなぐ金融プラットフォームへ変化しています。
今後は、より安全な本人認証、AIによる不正検知、リアルタイム決済、金融サービス間のデータ連携がさらに進むと考えられます。
一方、利用者自身も、公式アプリ、通知、振込限度額、端末管理などを適切に設定する必要があります。
2000年9月に設立され、同年10月に営業を開始したジャパンネット銀行です。現在のPayPay銀行です。
前身のイーバンク銀行が2001年に開業し、2010年5月に楽天銀行へ商号変更しました。
1990年代後半には、都市銀行を中心にウェブ型サービスが拡大しました。
スマートフォンが急速に普及した2010年代に、銀行アプリも広く使われるようになりました。
2018年以降、夜間・休日の即時振込は拡大しましたが、金融機関やメンテナンス状況によって翌営業日扱いになる場合があります。
インターネットバンキングは、テレフォンバンキングを出発点として、パソコン、ネット専業銀行、携帯電話、スマートフォンアプリへと発展してきました。
2000年のジャパンネット銀行、2001年のイーバンク銀行の開業は、日本でネット専業銀行が定着する大きな転機となりました。
2018年のモアタイムシステム、オープンAPI、アプリ完結型口座、パスキーなどにより、利便性と安全性はさらに向上しています。今後もサービスは発展しますが、フィッシングや不正送金への継続的な注意が必要です。
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