年金定期預金の金利の比較

年金定期預金の金利表

順位銀行名上限金額定期預金の金利(1年)
1位西京銀行「さいきょう年金定期預金」上限なし年0.40%
2位関西アーバン銀行「年金定期預金」500万円年0.30%
3位静岡中央銀行「年金定期バースデー500」500万円年0.30%
4位神奈川銀行「かなぎん年金定期預金」100万円年0.50%
5位中央ろうきん「ふれ愛定期300・ふれ愛定期」300万円年0.30%

(2018年3月9日現在)

年金定期預金とは

年金定期預金とは、その適用金利が一般向けの定期預金より有利な、年金受給世代の高齢者向けの定期預金を総称して言います。商品性は一般の定期預金(スーパー定期預金など)と同じで、あらかじめ定めた満期日まで預入を継続すれば、預け入れ元本と所定の利息が受け取れる金融商品です。

この金利優遇のための条件は、原則として公的年金(国民年金、厚生年金、共済年金など)の受取口座をその金融機関に指定することです。ここでいう金融機関とは年金の受給口座を指定できて、定期預金を提供している銀行、信用金庫、信用組合などです。

年金定期預金の元になるおカネは、受取口座に入ってきた年金には限られません。新たに年金を受給し始める世代のサラリーマンなら、退職金や財産形成貯蓄制度などで貯めてきたおカネを年金定期預金に預け入れることが考えられますが、預け入れる原資にはなにも制限はありません。その代わりにほとんどの金融機関では年金定期預金の預け入れ金額に上限を定めています。

年金定期預金の金利

年金定期預金の金利は、一般の定期預金(スーパー定期預金)の店頭表示金利にいくらかの上乗せをするという形式で優遇が行われています。優遇幅は年0.1%〜年0.2%がほとんどです。日本銀行の超低金利政策が続くなか、インターネット専業銀行を除くと、ほとんどの銀行では、1年もの〜5年もののスーパー定期預金の店頭表示金利は年0.01%に据え置かれています。

この場合、仮に年0.1%の金利上乗せがあると、普通に定期預金を1年間預け入れて受け取る利息に加えてその10倍の利息を受け取ることができます。年0.3%の金利優遇なら実に30倍にもなります。地域密着型の金融機関や、信用組合など協同組織型金融機関ではほとんどすべての金融機関で年金定期預金の取り扱いがある一方で、2018年2月現在、三菱UFJ銀行三井住友銀行みずほ銀行などのメガバンクやゆうちょ銀行では年金定期預金を提供していません。これらの銀行は全国的なネットワークを持ち、人口の多い都市部での利便性が高いことなどから顧客基盤、預貯金のボリュームとも十分であるため、あえて年金受給をターゲットとした金利優遇商品を設けていないと思われます。

年金定期預金を提供する金融機関の狙い

年金定期預金を提供する金融機関の狙いはどこにあるのでしょうか?超低金利が続くなかで、銀行をはじめとする金融機関は手数料収入の拡大に力を入れています。とくに個人向けの投資運用商品の獲得が大きな収益の柱となってきたため、資産を持つ個人との接点を持つことがますます大事になってきました。

金融資産の年代別残高をみると60歳台以上にその半分以上が集中しており、2014年現在、その額は約1,000兆円にも上っています(2015年財務省作成資料による)。金融機関は高齢者層の資産運用のお手伝いをして手数料収入を確保するために、リタイアした層のメイン取引の取り込みに躍起となっています。

現役世代に比べて収入が減少する高齢者世代は、どうしても貯蓄に頼らざるをえません。かつては65歳以上の預金者の預貯金等(預金、郵便貯金、国債などについてそれぞれ350万円まで)の利息を非課税とする高齢者マル優制度がありましたが、2003年以降段階的に廃止されました。それとともに金利水準自体が低下してきたため、年金定期預金のような金利優遇商品が登場してきました。

このようにかつて高齢者の預貯金を優遇する制度があったこともあり、年金定期預金を提供する金融機関では、公的年金制度の対象とならない65歳以上の在日外国人にも年金定期預金として金利優遇を適用しています。シニア世代の預金者ならせっかくのメリットを最大限活用したいところです。

年金定期預金のメリット

年金定期預金のメリットを具体的に見てみましょう。金融機関によって提供しているサービスの内容は千差万別ですが、預金者にとって年金定期預金の一番のセールスポイントは金利優遇です。

金利が非常に低くなっている現在、元本100万円を1年間預けたとしてほとんどの金融機関のスーパー定期預金の店頭表示金利は年0.01%、これだと税引前でも利息はたった100円止まり。そこから所得税、復興特別所得税、地方税を合わせて税金が20.315%引かれますので、実際に受け取る利息は80円になります。一方で年金定期預金で金利優遇が年0.1%受けられるとすると適用金利は年0.11%となり、得られる利息は1,100円、税引後で877円となります。

このケースだと年金定期預金では利息は約11倍、実際の金額では差額の797円多く受け取れます。もちろんもっと大きな金利優遇を提供する金融機関もありますが、この数字だけをみると、そう大きなメリットには見えないかもしれません。

しかし定期預金のよい点は、投資運用商品と違って元本割れなどの心配をすることなく、預け入れさえしておけば確実に利息が受け取れるというところにあります。それなら年金定期預金に預け入れれば、普通の定期預金より何倍もの利息を手に入れることができるので、あとはどこの金融機関にどれだけ預けるか、ということに尽きます。もちろん投資信託などで積極的に運用してもっとおカネ増やしたいという人には魅力に乏しいかもしれませんが、資金運用は安全が最優先という人には、年金定期預金は最適の金融商品です。

どこの金融機関の年金定期預金を選ぶのか?

では、どこの金融機関の年金定期預金を選べばよいのか、いくつか検討のポイントを上げてみましょう。もちろん金利優遇の比較だけで選ぶわけにはいきません。以下の点に注意して自分に合った金融機関の年金定期預金を選ぶ必要があります。

1.年金受取口座にその金融機関を指定して不便はないか

年金受取口座にその金融機関を指定して不便はないでしょうか?年金を受け取る口座は自分の生活費を切りまわす預金口座になりますので、サラリーマンならいままで給与振込を受け取っていた金融機関が一番便利なはずです。ライバル銀行はそのメイン口座を奪うために有利な金利優遇を提供しているのですから、とうぜん公共料金の支払なども新しい口座に切り替えるように囲い込みをかけてくるはずです。従来と違う金融機関におカネの流れを移すのは意外とエネルギーがかかる作業です。あくまで日々の生活のための年金受取口座だということを前提に検討しなければなりません。

あとで全国のいくつかの金融機関の年金定期預金を紹介しますが、自分の生活基盤から遠く離れた金融機関を選ぶことも可能です(金融機関によってはあまり遠方からの預金開設は受け付けないケースもあります)。例えば東京ならほとんどの地方銀行の支店がありますし、あまり不便はないようにも思えますが、その支店までの交通費や、キャッシュを引き出すためのATM手数料がかかることがあります。遠くに営業基盤を持つ金融機関を年金受取口座に選ぶ場合には、ほんとうにそれで不便はないのか確かめておかねばなりません。

2.その金融機関とどこまで付き合う覚悟があるか

その金融機関とどこまで付き合う覚悟がおありでしょうか。金融機関側の狙いは新たに年金受取口座を開いた預金者との取引を深めていくことにあります。生活のメイン口座として取引を増やし、窓口相談時や渉外係の訪問時に情報を収集し、投資信託や外貨預金、年金保険などの投資運用商品の販売や、家族構成や不動産の保有状況などを聞き出して、相続発生時の取引拡大等につなげていく狙いです。

仮にそういったことに付き合うのが煩わしいと思う人は、あまり大きな金利優遇を提供する金融機関に新たに口座を開いても、長続きしないこともあり得ます。もちろんどこまで付き合うかは自分次第ですが、年金定期預金は自動継続扱いとせずに1年ごとに店頭に来店して書き換えるとしている金融機関もあります。そういう金融機関の狙いはもちろんセールスチャンスの確保にあります。

3.インターネット専業銀行などとの取引に抵抗はないか

インターネット専業銀行などとの取引に抵抗はないでしょうか。ソニー銀行などのインターネット専業銀行はもとより、いまは地方銀行がインターネット支店を開設し専用の口座で全国から低いコストで預金を取り入れている時代です。ここでいうコストとは預金調達のための費用ですので、店舗や店頭スタッフ、さらに預金通帳すらないインターネット上の預金口座では、通常の支店営業をしている金融機関に比べると、年金受給の有無や預金者の年齢とは関係なく、比較的高い預金金利が提供されています。例えば1年もの定期預金金利はソニー銀行なら年0.15%、住信SBIネット銀行なら年0.20%です(2018年2月現在、夏冬などのキャンペーン期間特別金利の場合があります)。

年金定期預金も一般の定期預金と基本的な商品性は変わりません。インターネット専業銀行を利用すれば、年金受取とは関係なく比較的高い金利で定期預金を利用することができます。金利メリットを最優先して年金定期預金を選んで、その金融機関を年金受取に利用したとしましょう。もしそれで日常生活での金融機関の使い勝手が不便になれば本末転倒です。使い勝手の良い金融機関で年金を受け取り、その金融機関の年金定期預金を利用するか、あるいは年金は年金として使いやすい金融機関を選び、定期預金はとくに年金定期預金にこだわらず、インターネット専業銀行などを利用することもできます。この場合は、必ずしも年金受取と定期預金の預け入れをセットにしなくても構いません。

また複数の金融機関に口座を開いた場合には、ある銀行から別の銀行におカネを動かす手間もたいへんです。窓口へ行って伝票を書いて手数料を支払ってというプロセスを、インターネットではとても簡単にできます。インターネット専業銀行では、取引内容に応じて毎月一定の回数まで送金手数料を無料とする場合もあります。

インターネットに抵抗のない人はインターネット専業銀行、あるいは地元銀行のインターネット支店をチェックしてみてください。取引条件によってそのサービス内容は千差万別ですが、金利、送金手数料などで店頭での取引より有利な点がたくさんあります。

おすすめの年金定期預金の金利の比較

おすすめの年金定期預金の金利を比較して、ご紹介します。具体的にどの金融機関で年金定期預金を預け入れればよいか、初めて公的年金の受給者になった方には見当がつかないかもしれません。もちろんそれぞれの地元で慣れ親しんできた金融機関でよい商品があればベストです。しかしその場合でも以下のおすすめをまず見ていただいて、比較の参考にしていただければ幸いです。

● 第1位 西京銀行「さいきょう年金定期預金」

西京銀行は山口県に本店を置き、その名も「さいきょう」銀行です。この銀行では上乗せ金利方式ではなく、1年もの年金定期預金金利を年0.4%として提供しています。なおこの金利を提示しているのは2018年3月30日まです。ただし、もし年金を実際に受け取るのはもう少し先だとしても、年金の受取予約をすればすぐにこの年金定期預金を利用できます。商品概要説明書によりますと、同行のインターネット支店、東京、大阪、福岡の拠点では受け入れないとされていますので、山口県内か広島支店、北九州支店などに足を運ぶ必要があります。

年0.4%という金利も魅力的ですが、この年金定期預金には預入金額に上限の設定がありません。多くの金融機関では100万円、300万円、あるいは1,000万円などで上限を設けていますが、年0.4%で1,000万円なら1年間の税引後受取利息は31,874円となります。もし多額の退職金があり、当面使いみちがないといった場合にはこの銀行にまとめて預けてしまえば便利です。金利はその都度見直しがされますが、自動継続扱いも可能ですので一度預けてしまえばそのまま元利継続扱いにできます。

ただし1,000万円以上の預金を預ける場合にはペイオフの場合に、元金が戻ってこないことを念頭に置いておく必要があります。年金定期預金の預け入れ上限額は、かつてのマル優限度額の300万円や350万円としている金融機関が多く、預金保険制度で保護される上限の1,000万円を超える金融機関はほとんどありません。1,000万円以上の預金を1つの金融機関に預ける場合にはこの点に注意が必要です。

● 第2位 関西アーバン銀行「年金定期預金」

関西アーバン銀行は大阪市に本店を置く銀行です。主に大阪府と滋賀県に店舗網を展開していますが、その他の近畿地方一円にも店舗があり、さらに名古屋と東京に支店があります。とても魅力的なネットワークです。

この銀行は500万円まで1年もの定期預金の上乗せ金利を年0.30%、さらにそれを超える500万円についても1年ものの金利に年0.15%の上乗せを設定しています。それぞれ満額まで預け入れると合わせて1,000万円まで金利優遇を受けることができ、もちろん自動継続も可能です。地方に拠点を置く銀行ですが、多くの預金者が利用できる店舗網があり、分かりやすさと利便性を評価して第2位にしました(2018年3月30日までの提供条件)。

● 第3位 静岡中央銀行「年金定期バースデー500」

静岡中央銀行は静岡県の銀行ですが、神奈川県に16店舗、東京都にも1店舗、支店があります。利用者の利便性という点ではこちらも引けを取りません。預入金額の上限金額は500万円で、その全額に上乗せ金利年0.3%が適用されます。金利は1年間の固定で、「バースデー」と呼ぶのは年金定期預金の満期日を預入日ではなく誕生日に合わせて設定することが条件となっているためです。

特に使いみちが決まっていない預金を預けるなら1年ごとの満期日はいつでも構わないことになります。これだと銀行からみれば満期のご案内とお誕生日お祝いのメッセージを一緒にお届けして、さまざまな商品の提案もできます。預金者にも分かりやすく、アイデア賞込みの3位としました。自動継続も9回まで可能(=10年間は預け入れ可能)ですので期間としても十分ではないでしょうか(2018年2月現在)。

● 第4位 神奈川銀行「かなぎん年金定期預金」

神奈川銀行は横浜市に本店を置く銀行で、店舗は神奈川県内だけです。この銀行に年金受取口座を指定すると、元金100万円まで「かなぎん年金定期預金」として、1年もの定期預金の店頭表示金利に加えて年0.5%の金利上乗せが受けられます。金利優遇としては非常に大きいと思います。この年金定期預金に加えてさらに「かなぎん年金定期預金プラス」として、上限900万円まで1年もの定期預金で年0.1%の金利優遇を受けられます(2018年3月30日までの提供条件)。

また第3位にあげた静岡中央銀行と営業エリアが重なることもあり、預金者の選択肢がグッと広がります。もし2種類の公的年金が受け取れる人なら、最初の100万円は神奈川銀行へ、次の500万円は静岡中央銀行へ、という使い方もできます。

● 第5位 中央ろうきん「ふれ愛定期300・ふれ愛定期」

中央ろうきんはあまりなじみのない金融機関かもしれませんが、労働組合や生活協同組合に基盤を置く協同組織金融機関です。希望すれば友の会などに加入することでだれでも口座を開くことができます。

営業基盤を首都圏の1都7県(山梨県を含む)に展開しており、利用できる人が多いという点では、上位にあげた各銀行を凌いでいます。ろうきんは全国にありますが、年金定期預金の金利優遇は各地域のろうきんによって異なります。中央ろうきんが最も魅力的な年金定期預金を提供していますのでご紹介します。

中央ろうきんでは「ふれ愛定期300」として、300万円を上限として1年もの定期預金の店頭表示金利に年0.30%の金利優遇を受けることができます。またそれ以外に「ふれ愛定期」として2,000万円まで年0.10%の金利優遇を受けられます(2018年3月30日までの提供条件)。もちろん自動継続にもできます。

なお中央ろうきんの場合、「ふれ愛定期300」は公的年金(厚生年金・共済年金)のみに限られますが、「ふれ愛定期」の方は企業年金でも認める条件設定になっています。厚生年金基金や企業年金基金からの振り込みは年金定期預金の対象外とする金融機関がほとんどですので、企業年金の受給者には利用できる選択肢が増えます。

年金定期預金で注意すること

年金定期預金で注意することを改めて見ていきましょう。

前にもご説明したとおり、インターネット専業銀行や、地方銀行のインターネット支店では1年もの定期預金で年0.10%程度の金利が提供されています。インターネット専業銀行やインターネット支店では、年金受給口座の指定とは関係なく、比較的有利な金利の定期預金で安全な運用ができます。一方で、おすすめの年金定期預金としてご紹介した金融機関などでは、年金受給口座を指定し、窓口で年金定期預金を預け入れることで、インターネット利用の場合を上回る金利を得ることができます。どちらにもそれぞれのメリットがありますので、繰り返しになりますが、年金受給口座を指定するときには、あまり年金定期預金の金利優遇だけに目を奪われないようにすることが大事です。

また年金定期預金はほとんどの金融機関で取り扱いがあり、高齢者の預金を獲得するために欠くことができないサービスとなっていますので、突然その取り扱いが打ち切られたり、大きな商品性の見直しが行われることはあまり考えられません。

しかし金利情勢は日々変化しています。金利優遇に対する金融機関の方針が変わって優遇幅が小さくなることもありますし、近隣の他の金融機関がもっと有利な条件の年金定期預金を出してくることもあり得ます。金利や商品性を比較して選ぶのはあくまで預金者自身なので、常に情報収集を怠ることのないようにしてください。

初めて年金受取の手続きをする人はその煩雑さに戸惑うものですが、新たに年金受取口座を指定しても実際に年金が振り込まれるまでには相当の期間がかかります。年金定期預金を提供している金融機関のほとんどでは、年金受取を「予約」した人のためにも金利上乗せのある定期預金を取り扱っています。金融機関の店頭でこれらの定期預金の条件に合うかどうかスムーズに確認してもらえるように、年金請求書の手控えなどを準備したうえで来店・相談してください。

また厚生年金基金などの企業年金受取口座では年金定期預金の対象とならない金融機関がほとんどです。いまは老齢基礎年金・老齢厚生年金の受取開始は原則65歳ですから、60歳から受け取れるのは繰上げ受給の場合か、特別支給の老齢厚生年金の受給資格がある場合などに限られます。自分が受け取る年金がその金融機関が認めている種類の年金かどうか、あらかじめ確認しておくことをおすすめします。

年金定期預金以外に検討するなら

年金定期預金以外に検討するならどんな商品があるでしょうか。インターネット専業銀行の定期預金を紹介しましたが、ほかにも資産運用の手段はたくさんあります。かつてのマル優制度などの預貯金金利への税制優遇はどんどん縮小し、いまでは障がい者などを対象とする少額貯蓄非課税制度だけが残されていますが、その一方で「貯蓄から投資へ」を合言葉に投資優遇税制が拡大しています。投資信託などをNISA口座(少額投資非課税制度)で運用して運用益を追求することもできます。もちろん投資信託に元本保証はありませんが、金融機関は手数料収入を獲得するために、販売に力を入れている投資運用商品への橋渡し役として、退職金専用定期預金や年金定期預金を提供している面があります。

退職金運用プランでは、年金定期預金より金利が高いのがふつうです。例えば年金定期預金の第3位に取り上げた静岡中央銀行の例では、退職金定期預金として3ヵ月もの年1.2%、6ヵ月もの年0.7%の高金利が提供されています(2018年2月現在)。

退職金専用定期預金の特徴は、預入期間が短いこと、原則として一度限りしか利用できないことです。これは金融機関が満期時に他の投資信託や年金保険などの運用商品のセールスをするためで、金融機関にとってはあくまでつなぎ商品の位置づけです。また投資運用商品の購入とセットで定期預金金利を上乗せする場合もあります。この場合も高い定期預金金利を提示している場合がありますが、あくまでその裏には投資信託などの購入が条件になっており、金融機関はその販売手数料が狙いであることを知っておいてください。

債券投資信託などのリスクについて

債券投資信託などのリスクについて確認しておきましょう。債券は比較的安全な投資対象だと言われてきましたが、慎重な検討が必要です。外国の債券を中心に組み込んだ投資信託で、毎月配当を行う分配型の商品がとくに高齢者向けとして人気を呼びましたが、債券は長期金利が上がるとそれ自体の価格は低下します。満期まで保有した場合には元本が全額戻ってきますが、その途中では金融情勢を反映して価格が変動します。株式投資に比べれば値動きは小さいかもしれませんが、元本保証の定期預金とは全く違った性質の金融商品です。

さらに表面金利自体の高さに着目した外国債券投資だと、金利リスクのほかに為替リスクも加わりますので投資対象としてはむしろ難しい面があります。また元本返済に懸念が生じることもあり、ギリシャの債務問題などはまだ記憶に新しいところです。残念ながら、債券投資なら低リスクだとは一概には言い切れません。

定期預金並みの安全性という点からみれば「個人向け国債」はぜひ検討してみてください。超低金利の環境下で個人向け国債変動10年の金利は下限の年0.05%に貼り付いています(2018年2月現在)が、長期金利が上昇すれば支払い金利が見直され、将来の受取利息の上昇が期待できます。個人向け国債は多くの金融機関で購入できます。

10年ものと聞くと期間が長い気もしますが、金融情勢が変わって金利が上がってくれば、そのまま保有して受取利息のアップを狙っても構いませんし、解約して別の金融商品に乗り換えるのも自由です。商品設計上1年以上保有すれば元本割れの心配はないので、安全第一の人には絶対に見逃せません。

個人の金融資産が大きく動く、退職、相続といった機会をとらえてそのつなぎ止めのために有利な預金商品が用意されるようになりました。ほとんどの金融機関で年金定期預金の位置づけは、上限を定めて金利優遇を行い、これからの長いお付き合いのお楽しみとして使ってくださいというメッセージが込められています。ご自分の生活に合った、気持ちよく使える金融機関をご検討されることをおすすめします。

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