第二地方銀行とは、主に旧相互銀行から普通銀行へ転換し、地域を主な営業基盤としている銀行です。一般社団法人第二地方銀行協会には、2026年7月時点で34行が加盟しています。
現在の第二地方銀行は、銀行法に基づいて営業する普通銀行であり、預金・振込・住宅ローン・事業融資など、基本的な銀行サービスは一般の地方銀行と大きく変わりません。
「第二」という名称から、地方銀行より格付けや安全性が低い銀行だと思われることがあります。しかし、これは銀行の優劣を表す言葉ではなく、主に歴史的な成り立ちと所属する業界団体の違いを示す呼び方です。
第二地方銀行の歴史をたどると、多くの銀行が無尽会社や相互銀行を前身としています。
無尽とは、一定の人々が定期的に金銭を出し合い、抽選や入札などによって順番に給付を受ける仕組みです。地域の人々が資金を融通し合う相互扶助の性格を持ち、これを事業として運営したのが無尽会社でした。
第二地方銀行協会の沿革によると、1945年に無尽会社を会員とする全国無尽協会が発足し、1951年に会員各社が相互銀行へ転換したことに伴って全国相互銀行協会へ改称しました。その後、1989年に相互銀行が普通銀行へ転換した際、現在の第二地方銀行協会へ改称されています。
この経緯から、第二地方銀行には、地域の個人や中小企業との取引を重視する銀行が多いという特徴があります。
一般に「地方銀行」と呼ばれる銀行には、全国地方銀行協会に加盟する銀行と、第二地方銀行協会に加盟する銀行があります。両者の主な違いは成り立ちと所属団体です。
| 比較項目 | 地方銀行 | 第二地方銀行 |
|---|---|---|
| 主な成り立ち | 明治期以降に設立された地域銀行など | 旧無尽会社・旧相互銀行を前身とする銀行が中心 |
| 主な業界団体 | 全国地方銀行協会 | 第二地方銀行協会 |
| 営業基盤 | 特定の都道府県や地域 | 特定の都道府県や地域 |
| 法律上の位置付け | 銀行法上の普通銀行 | 銀行法上の普通銀行 |
| 主なサービス | 預金、融資、振込、投資信託、住宅ローンなど | 預金、融資、振込、投資信託、住宅ローンなど |
現在は合併や経営統合、持株会社化も進んでいるため、銀行の規模やサービス内容を「地方銀行」「第二地方銀行」という分類だけで判断するのは適切ではありません。利用する際は、金利、手数料、店舗・ATM、アプリの使いやすさ、経営状況などを個別に確認することが大切です。
第二地方銀行は、地域の住民や中小企業、個人事業主との取引を営業基盤としてきました。地域企業への融資だけでなく、創業支援、事業承継、経営改善、販路開拓などに取り組む銀行もあります。
主要な営業地域では、駅前、市街地、住宅地、商業施設などに店舗やATMが配置されている場合があります。給与振込、税金や公共料金の支払い、地域企業との取引など、地元での日常的な金融サービスに向いています。
住宅ローン、相続、資産運用、事業資金などについて、窓口や専門相談拠点で相談できることがあります。インターネットだけで手続きを完結するネット銀行とは異なり、対面で説明を受けたい人には利点があります。
現在は多くの第二地方銀行が、残高・入出金明細の確認、振込、税公金の支払い、カードローン、住所変更などに対応するアプリやインターネットバンキングを提供しています。ただし、利用できる機能や手数料は銀行ごとに異なります。
特に、店舗の近さや相談のしやすさを重視する人にとって、地域密着型の第二地方銀行は有力な選択肢になります。
転居や出張が多い人は、営業地域を離れると店舗を利用しにくくなることがあります。提携ATMを利用できても、時間帯や取引内容によって手数料がかかる場合があります。
地域銀行の定期預金キャンペーンが高金利になることはありますが、通常金利ではネット銀行のほうが高い場合もあります。預金先を決める際は、銀行の分類ではなく、預入期間、適用条件、中途解約利率、自動継続の条件まで比較してください。
投資信託、外貨預金、アプリ、即時振込、各種変更手続きなどの充実度は銀行ごとに異なります。普段使いを考えている場合は、金利だけでなく利便性も確認する必要があります。
第二地方銀行だから危険、地方銀行だから安全ということではありません。自己資本比率、利益、不良債権比率、格付け、ディスクロージャー資料などを個別に確認することが重要です。
第二地方銀行の円預金は、他の国内銀行と同様に預金保険制度の対象です。
利息の付く普通預金や定期預金などは、1金融機関につき預金者1人当たり元本1,000万円までと、その利息が保護されます。
当座預金や利息の付かない決済用普通預金など、一定の条件を満たす決済用預金は全額保護されます。一方、外貨預金など預金保険の対象外となる商品もあります。
1つの銀行に1,000万円を超える預金を置く場合は、銀行の健全性を確認するとともに、必要に応じて複数の金融機関へ分散することも検討しましょう。
一方、全国どこでも同じ条件で使いたい人、店舗を必要とせず預金金利や手数料を最優先する人は、都市銀行やネット銀行も含めて比較するとよいでしょう。
定期預金を目的に利用する場合は、表示された金利だけでなく、新規資金限定か、インターネット支店限定か、預入金額の下限・上限はいくらか、満期後の金利はどうなるかを確認してください。
「第二」という名称は安全性の順位を意味しません。どちらも銀行法に基づく普通銀行です。安全性は、各銀行の自己資本、収益、不良債権、資金繰りなどを個別に確認する必要があります。
同じではありません。第二地方銀行は株式会社形態の普通銀行です。信用金庫は会員制度を基礎とする協同組織金融機関で、営業地域や融資先などに制度上の違いがあります。
銀行や時期によって異なります。地域限定、店舗限定、インターネット支店限定、新規資金限定などのキャンペーンで高い金利が設定されることがありますが、常にネット銀行より高いとは限りません。
銀行によって異なります。営業地域内に居住・勤務している人に限定している場合もあれば、インターネット支店を通じて全国から申し込める場合もあります。各銀行の口座開設条件を確認してください。
第二地方銀行は、旧無尽会社や旧相互銀行を源流とする銀行を中心に発展してきました。現在は銀行法上の普通銀行として、預金、融資、振込、住宅ローンなど幅広いサービスを提供しています。
第二地方銀行の強みは地域密着性ですが、金利や手数料、利便性、経営状況は銀行ごとに異なります。
地元での使いやすさや対面相談を重視するなら有力な選択肢です。定期預金を選ぶ場合は、地方銀行、都市銀行、信用金庫、ネット銀行も含め、実際の適用金利と条件を比較しましょう。
※加盟行数および制度に関する記述は、第二地方銀行協会、預金保険機構などの公表情報をもとに2026年7月30日時点で確認しています。商品・手数料・口座開設条件は変更されることがあるため、利用前に各銀行の公式サイトで最新情報をご確認ください。
