退職金の定期預金

退職金専用の定期預金

退職金専用の定期預金は、高金利であることが最大のメリットです。ただし、基本的に退職金を受け取ってから一定期間内に預けることが条件になっており、退職時にしか使えない限定商品です。

退職金専用の定期預金には、投資信託などとセットになったプランもあります。しかし、投資信託は手数料がかなり高いので、十分に注意をする必要があります。

退職金専用の定期預金とは?

退職金としてまとまったお金が入ったときに、知識もないのに投資信託などで運用を始めると、大きな失敗に終わることがあります。そうかといって普通預金にお金を入れたままでは、ほとんど利息はつきません。

退職金としてまとまったお金が入ったとき

「お金が減るのは嫌だけど、まったくお金が増えないのも面白くない…。」そんな人にとって選択肢となるのが定期預金であり、その定期預金のなかでもより有利な商品なのが「退職金専用の定期預金」です。

「退職金専用の定期預金」とは、その名の通り、退職金を預けておくための定期預金です。「退職金専用定期預金」「退職金運用プラン<定期預金コース>」といった名称で、銀行や信用金庫などの金融機関で取り扱われています。

退職金専用の定期預金の条件

退職金専用の定期預金の条件

退職金専用の定期預金は高金利ですが、預け入れをするには条件があります。たとえば、退職金を受け取ってから一定期間内に預けることです。

また、退職金であることが証明できる書類(退職証明書や退職所得の源泉徴収票など)の提出も必要です。まさに退職したときにしか使えない限定商品です。

もし、退職金をもらっても当面の使い道が決まっていないのなら、高金利な退職金専用の定期預金にいったん預けておくのが得策といえるでしょう。

退職金専用の定期預金のメリット

退職金専用の定期預金のメリットは高金利

退職金専用の定期預金のメリットは、何よりも高金利であることです。たとえば2018年9月20日現在、都市銀行銀行の金利は、普通預金で年0.001%、300万円以上の定期預金で年0.01%となっていますが、退職金専用の定期預金なら年0.5%と大幅に高い金利が設定されています。比較的金利の高いネット銀行の定期預金と比べても有利な商品です。

なかには、年2%〜3%といった金利を設定している銀行もあります。昨今の超低金利の環境下において、異例の高金利商品といえます。

退職金専用の定期預金の金利が高い理由

退職金専用の定期預金の金利が高い理由は預入期間が1〜6ヵ月と短いのです。

ただし、退職金専用の定期預金の金利が高いのには理由があります。それは、預入期間が1〜6ヵ月と短いのです。

たとえば年1%の金利が設定されているとしても、それが適用されるのは預入期間の3ヵ月間までで、期間が過ぎたら通常の定期預金の金利が適用されることになります。

仮に、年利1%(3ヵ月もの)の退職金専用の定期預金に300万円を預け入れたとしましょう。3ヵ月後に受け取れる利息は、300万円×1%×3/12ヵ月=7,500円(税引き後概算5,977円)です。そして3ヵ月経過後、口座にあるお金は年0.01%などの店頭表示金利の定期預金に引きつがれることになります。

退職金専用の定期預金のデメリット

退職金専用の定期預金にはデメリットもあります。それは預け入れるにあたり、通常の定期預金とは違っていくつかの条件があることです。

退職金専用の定期預金のデメリット

条件は金融機関によってさまざまですが、
(1) 退職金を受け取ってから1年以内に預け入れる
(2) 1人1回の利用に限る
(3) 預け入れの上限は退職金受取金額まで

などが基本です。

なかには、「預入金額500万円以上」「当行の口座を年金受取口座に指定すること」「NISA(少額投資非課税制度)口座の開設」などのハードルをもうけている金融機関もあります。

退職金専用の定期預金口座の開設を申し込むときには、自分の条件と金融機関の条件が当てはまるのかどうか、商品概要をよく確認しましょう。

退職金専用の定期預金の代表的な商品

退職金専用の定期預金の金利のランキング

退職金専用の定期預金の代表的な商品を4つご紹介します。都市銀行や地方銀行の商品ですが、信用金庫や信用組合やJAバンクでもとり扱っている場合があります。

ただし残念ながら、ゆうちょ銀行やネットバンクではとり扱いがありません。

ランキングは、金利の高い商品から掲載をしています。3位の神奈川銀行のみ6ヶ月もので、他はすべて3ヶ月ものの退職金専用の定期預金です。(2018年9月21日現在)

1位:西京銀行「退職金定期預金」

1位:西京銀行「退職金定期預金」

おそらく最高水準の金利だろうと思われるのが、西京銀行の退職金専用の定期預金です。預入期間は3ヵ月ですが、金利はなんと年3%となっています。

満期後は3ヵ月ものスーパー定期の店頭表示金利(2018年9月21日現在、年0.01%)となります。また預入金額は、300万円以上が必要です。たとえば300万円を預け入れた場合は、受取利息の金額は税引き後の概算で17,684円になります。

2位:三井住友信託銀行「退職金特別プラン 定期預金コース」

2位:三井住友信託銀行「退職金特別プラン 定期預金コース」

三井住友信託銀行の退職金専用の定期預金は、金利年0.8%(預入期間3ヵ月)で、500万円以上(上限1億円)、退職金に限らずどんな資金でも預け入れることが可能です。

特徴は、退職から1年の間なら何度でも利用できること。退職金を受け取ったタイミングだけでなく、確定拠出年金や他の銀行の満期資金などを受け取った際にこの口座に預け入れることで、高金利の適用を受けられます。

3位:神奈川銀行「退職金定期預金α(アルファ)」

3位:神奈川銀行「退職金定期預金α(アルファ)」

神奈川銀行の退職金専用の定期預金はAタイプとBタイプがあり、Aタイプは100万円以上3,000万円以下(金利は年0.6%)、Bタイプは1,000万円以上(金利は年0.5%)の預け入れが必要です。預入期間はいずれも6ヵ月となります。

面白い点は、Aタイプを申し込むには退職所得を証明する資料が必要なのに対して、Bタイプの場合は資料がいらないことです。つまり、退職金に限らずどんなお金でも1,000万円以上ならばBタイプに預け入れることができます。

4位:りそな銀行「退職金きちんと運用プラン(円定期預金コース)」

4位:りそな銀行「退職金きちんと運用プラン(円定期預金コース)」

りそな銀行の退職金専用の定期預金は、通常の金利は年0.1%(預入期間3ヵ月)ですが、公的年金受け取り、給与振り込み指定、NISA口座の利用、のいずれかの条件を満たした場合には、金利が年0.5%になります。

預入金額は退職金受取金額が上限となっています。

とり扱いが中止されつつある退職金専用の定期預金

とり扱いが中止されつつある退職金専用の定期預金

ランキング形式で、いくつかの退職金専用の定期預金を紹介しました。もし利用を検討しているのなら、早めに預け入れをした方がよいかもしれません。

なぜなら、三菱UFJ銀行やみずほ銀行など、退職金専用の定期預金のとり扱いを中止する(あるいは設定金利を大幅に引き下げる)金融機関が次々とあらわれているからです。

退職金専用の定期預金のとり扱いが中止される理由

なぜ金融機関は、退職金専用の定期預金の取り扱いを中止するのでしょうか?その背景には金利情勢の急激な変動があります。

日本銀行のマイナス金利政策による一般の銀行の収益の圧迫

日本銀行では2016年にマイナス金利政策を導入しましたが、この影響により各銀行は収益が圧迫されることになりました。そのため多くの銀行が定期預金など預金商品の金利の引き下げを行いました。

金融機関にとって、まとまったお金である退職金はぜひとも集めたいところですが、一方で退職金専用の定期預金の高い金利が収益を圧迫します。「申し込もうとしたら取り扱い中止になっていた」ということがないよう、速やかに手続きしたいです。

退職金専用の定期預金を利用する際の注意点

金融機関の担当者が定期預金プランではなくて資信託の購入とセットになったプランをすすめてくる可能性があります。

退職金専用の定期預金を利用するときに注意しておきたい点があります。それは、定期預金だけではなく、投資信託の購入とセットになったプランをすすめられることがあることです。

退職金専用の定期預金は基本的に、金融機関の窓口に出向いて申し込みます。そのときに金融機関の担当者が、定期預金プランではなくて資信託の購入とセットになったプランをすすめてくる可能性があります。

投資信託の購入とセットになったプランとは

必ず投資信託も買わなければならないかわりに、定期預金の金利が年5〜6%(預入期間3ヵ月)などの好条件になります。

定期預金と投資信託の購入とセットになったプランとは、次のような商品です。たとえば、預け入れた資金の全部を定期預金に入れるのではなくて、資金の50%以上を投資信託の購入に回すことが条件になっているようなプランです。

必ず投資信託も買わなければならないかわりに、定期預金の金利が年5〜6%(預入期間3ヵ月)などの好条件になります。

セットプランを販売する金融機関のねらい

金融機関側は、定期預金の部分に高い利息を払うかわりに、手数料の高い投資信託を販売して、しっかり元を取ることを考えている。

高い金利につられて、つい「投資信託とのセットプランでもいいかな」と思ってしまいがちですが、注意をしなければいけません。その理由は、購入できる投資信託の種類を金融機関が指定している場合がおおいからです。

つまり金融機関側としては、定期預金の部分に高い利息を払うかわりに、手数料の高い投資信託の部分でしっかり元を取ることを考えているわけです。

退職金専用の定期預金が終わった後

セットプランではなくて、ごく普通の退職金専用の定期預金に預けたとしても、3ヵ月後の預入期間が終わるころには「投資信託や国債の購入はいかがですか?」と金融機関からセールスされる可能性が高いです。

退職金専用の定期預金が終わった後

投資信託などで運用することが悪いわけではありませんが、もし知識や経験がないのなら、金融機関にすすめられるがままに買ってしまうと痛い目を見るおそれがあります。

「退職金をほんの少しの間、退職金専用の定期預金に入れるだけ」と軽く考えていては、金融機関の営業マンや窓口担当者の口車に乗せられてしまうでしょう。

退職金専用の定期預金を利用するときには、「自分のお金は自分でしっかり守る!」という強い意志をあわせ持っておくことが大切です。

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