定期預金は意味ない?

定期預金の平均の金利

定期預金の平均の金利は現在どれくらいでしょうか。定期預金でお金を運用した場合、平均でどれくらいの金利が付くのかを考えてみましょう。よくありそうなケースを想定して、100万円を1年満期の定期預金で預けた場合の金利を調べます。

日本の三大銀行と呼ばれる、みずほ銀行三菱UFJ銀行三井住友銀行と、ゆうちょ銀行の定期預金の金利はすべて年0.01%です。地元に密着した経営を行っている地方銀行第二地方銀行の定期預金の金利については、いくつかの銀行は年0.01%より少し高いものの、平均するとおよそ年0.01%となります。普通の銀行に定期預金でお金を預けた場合、金利は年0.01%程度しかつきません。

近年、急成長しているインターネット銀行の定期預金の金利も調べました。インターネット専業銀行と呼ばれる6つの銀行〈ジャパンネット銀行ソニー銀行楽天銀行住信SBIネット銀行じぶん銀行大和ネクスト銀行〉と、店舗窓口をほとんど持たずに営業している2つの銀行〈セブン銀行、イオン銀行〉を合わせた8つの銀行をインターネット銀行として、1年満期の定期預金の金利を調べました。インターネット銀行の定期預金の平均金利は、およそ年0.078%となりました。通常の銀行よりインターネット銀行は金利が高いのが特徴です。けれども、各インターネット銀行の定期預金の金利はバラつきが大きいです。定期預金の金利が一番高いインターネット銀行では年0.2%です。しかし、定期預金の金利が一番低いインターネット銀行では年0.015%であり、普通の銀行の定期預金の金利の年0.01%とあまり差がありません。

普通預金の金利も見てみます。一部のインターネット銀行を除いて、ほとんどの銀行の普通預金の金利は、年0.001%となっています。一方、定期預金の金利は最低でも年0.01%でした。ですから、普通預金の金利と比べれば、定期預金の金利は10倍以上となります。しかし、超低金利が続く日本では、定期預金といえども、得られる利息は本当に僅かです。そのため、わざわざ定期預金にはせず普通預金に置いたほうがよいとの見方も広がっています。それなら「定期預金は意味ない?」と疑問を持つ方も多いでしょう。では、定期預金は意味ない金融商品なのかどうか、これから考えてみます。(上記金利はすべて2018年2月22日時点)

定期預金にはメリットなし?

定期預金を「メリットなし」と決めつけてはいけません。定期預金の金利が低いとはいえ、定期預金は無意味な金融商品ではなく、メリットもたくさんあるからです。

定期預金のメリットのまず最初は、貯蓄に適しているということです。定期預金は期間を定めて預ける預金で、契約期間中は引き出せない(満期まで解約ができない)ことが前提とされています。そのため、貯蓄に適した商品と言えます。例えば、まとまったお金があると、つい高価な商品を買いたくなってしまう傾向がある人にとっては、定期預金にすれば容易にお金を引き出せないため、その誘惑から守られます。これは多くの人が定期預金を選ぶ重要な理由の一つと言えるでしょう。

定期預金には預金保険制度があるのもメリットと言えます。普通預金と定期預金のどちらにも言えることですが、銀行預金が安心安全を誇れる基盤として預金保険制度(ペイオフ)があります。これは、万が一、銀行等の金融機関が破綻したとしても、元本1,000万円までとその利息を、預金保険機構(政府や各金融機関等が出資して作った機関)が保護してくれる制度です。定期預金は、元本割れをしない安心感がありますが、それに加えて、1,000万円とその利息までの限度があるものの、定期預金を預けた金融機関が破綻しても大丈夫という絶対的な安心感があります。

また、定期預金の特徴的なメリットとして、定期預金があれば「当座借越」を活用できる点があります。「当座借越」とは少し難しい言葉ですが、簡単に言うと同じ銀行に定期預金があれば、その金額の一部まで普通預金の残高がマイナスになっても大丈夫という仕組みです。例えば、100万円の定期預金があれば、普通預金の残高のマイナスを90万円まで認めてくれるといった具合です。クレジットカードの支払いや口座振替での支払いは、計画的に行っていたとしても忘れたころに大きな金額が来てしまうこともあります。万が一、普通預金に残高がなかったとしても、当座借越ができれば、自分の大切な信用情報に傷が付かずに済みます。残高がマイナスになっても大丈夫な仕組みと説明しましたが、マイナスはマイナスであり一時的な借金になるので利息を払う必要があります。当座借越が利用できるかどうかの条件は金融機関によって異なる場合がありますので、コールセンターや窓口で確認したほうがよいでしょう。なお、普通預金と定期預金がセットになった総合口座の場合、当座借越ができるケースが多いようです。

定期預金は普通預金に比べて、キャンペーンが多い点もメリットです。銀行にとっては、普通預金のように頻繁に出し入れされるお金よりも、定期預金で安定して銀行にお金を置いてもらえるほうが助かります。そのため、定期預金向けに様々なキャンペーンを行っています。例えば、最初の数ヶ月間は定期預金の金利をアップしたり、○○万円以上の定期預金をご契約のお客様にお米などの日常用品をプレゼントしたりすることもあります。また、キャンペーンではありませんが、定期預金の金額が大きいと銀行によっては窓口で粗品がもらえることもあります。

確かに定期預金の金利は低いのですが、普通預金よりも高い金利が付くというのはメリットのひとつです。現状では、定期預金と普通預金の金利を比べるなら、定期預金のほうが10倍か、それ以上の金利が付きます。定期預金の金利優遇キャンペーンを上手く利用すれば、定期預金の金利をさらに高くすることができます。

適用される条件は厳しいのですが「マル優制度」が利用できるのも定期預金のメリットです。これは、預金の元本350万円までの利子が非課税になるというものです。ただし、障害者手帳の交付を受けている方や遺族年金を受給している場合など、限られた条件に当てはまる人のみが利用できます。約20%の税金を払わずにすむのですから、条件に当てはまる場合は必ず使いたい制度です。

定期預金のデメリット

定期預金のデメリットも考えます。やはり、定期預金の金利が低いというのは大きなデメリットでしょう。長く低金利の時代が続いてきましたが、日本銀行がさらにマイナス金利の政策を打ち出して以降、極めて低い金利が続いています。具体的に、定期預金で運用した場合、利息がどのぐらい増えるのかを考えましょう。例えば、100万円を年0.01%の金利で定期預金に預ければ、毎年の利息が100円です。さらに、この100円から税金が20円ほど(100円[利息]×20.315%[住民税+所得税+復興特別所得税]≒20円)差し引かれて、約80円が受け取れます。

定期預金に預けたお金が満期まで引き出せない点も、一つのデメリットです。定期預金は原則として満期までの期間中には引き出せません。もし、満期までの期間中に定期預金を中途解約するなら、約定金利と呼ばれる最初に約束された金利は受け取れず、ペナルティ金利が適用されます。このペナルティ金利は非常に低いため、中途解約した結果、普通預金以下の利息しか受け取れないこともあり得ます。

さらに、定期預金をより高い金利で預けるためには手間がかかるのもデメリットです。各銀行のホームページや店頭で金利を調べて比較するには、それなりの時間と労力がかかります。また、金利が高い銀行を見つけたとしても、最寄りに支店がない場合もあり得ます。

定期預金はシンプルで使いやすい金融商品ですが、普通預金に比べると契約内容が少し複雑になる点にも注意をしておきたいです。特に、定期預金の中途解約や満期到来時の取り扱いの条件は銀行などの金融機関によって異なります。定期預金を金融機関に預けるときは、満期の期間や、その他の条件を自分で確認して決定しなければなりません。

定期預金とその他の金融商品との比較

定期預金とその他の金融商品も比較検討してみます。金利が低い定期預金だけでお金を運用するのはもったいないとも言えます。定期預金のみではなく、その他の金融商品も合わせて資産運用を考えている方も多いでしょう。定期預金と比べてメリットとデメリットがどこにあるのかを見ながら、その他の金融商品を紹介します。

はじめに、「株式投資」を紹介します。企業が発行する株式(株券)を購入して、企業の一部を所有して、株主になる投資のことを株式投資といいます。株式は通常、取引所で取引されていて、取引所で付いた値段で売買することができます。株式投資では、主に2つの方法で利益を得ることができます。(1)購入した値段より高く売ること。購入した値段との差額が利益になります。反対に購入した値段より低く売ると損失になります。(2)配当金を受け取る。企業は1年に数回、企業活動で得た利益の一部を株式の持ち分に応じて、株主に配当金として現金で還元します。以上の2つです。株式の値段の動きは比較的激しく動くため、数ヶ月で投資金額の倍以上の値段になることもあります。反対に、数ヶ月で半値になることも少なくありません。さらに株式を発行した企業が倒産する場合には、投資したお金をすべて失うことさえあり得ます。定期預金に比べてハイレベルな運用方法であり、投資初心者にとっては、少しハードルが高いと認識しておいたほうがよいでしょう。また、株式投資を行いたい場合は、新たに証券会社に口座を開設する必要があります。株式投資は手続きの面で考えても、定期預金ほど気軽ではないかもしれません。なお、株式投資を始めたい場合、銀行が系列の証券会社を紹介してくれることもあります。

次に国債という投資もあります。国債とは日本国政府にお金を貸すという投資方法です。国債の中でも、特に個人向けに設計された商品が「個人向け国債」です。個人向け国債は1万円から投資することができ、元本も保証されている商品です。条件次第では定期預金より高い金利も期待できます。さらに、日本国政府が発行する債券なので、安心感は抜群です。定期預金と同じく元本保証もあるので、もう一歩投資に踏み出すのに適しているでしょう。ただし、注意点もあります。個人向け国債を最初の1年間が経過する前に解約する条件は、大規模な自然災害により被害にあった場合と自身が死亡した場合のみとなっています。このように、個人向け国債は、1年以内の中途解約のルールが定期預金に比べて非常に厳しくなっています。また、個人向け国債は、株式投資とは違って銀行で扱っていますが、定期預金のようにいつでも運用を開始できるわけでなく、個人向け国債の募集がある時でなければ運用を開始できないというデメリットもあります。

さらに、自分で直接投資するのではなく、運用のプロに任せてお金を投資してもらう「投資信託」という金融商品もあります。投資信託は、個人から小口(1万円程度から)のお金を集めて、まとまったお金で運用のプロが投資を行い、その結果が個人に還元されるという仕組みです。一般に投資信託は営業日ごとに1回、値段が計算されてその値段で売買します。買った値段よりも高い値段で売った場合に運用益が発生します。反対に、低い値段で売った場合は損失が発生して元本割れとなります。ですから、投資信託は株式投資と同じく、定期預金と比べて高い利益が期待できる一方、元本割れの可能性があります。投資信託は種類も多く、大きく値段が変動するものもあれば、変動幅が比較的安定しているものもあります。加えて運用方法も運用する会社や担当する運用のプロによって異なります。自分の投資スタイルに合った投資信託を選ぶのが重要となります。定期預金ほど気軽ではありませんが、株式投資とは違い、運用をプロに任せるといった意味では安心感があります。なお、投資信託は銀行でも扱っている金融商品です。投資信託に興味があるなら、まず自身が取引している銀行窓口で相談してみるのもよいでしょう。

インターネット銀行の定期預金の金利

定期預金で高い金利を得たいなら、やはりインターネット銀行が有利になります。またインターネット銀行は、定期預金の金利が高くなるキャンペーンを頻繁に行っています。特に、夏・冬のボーナス時期や新生活が始まる4月頃は、新規顧客を獲得するためにキャンペーンが多いです。

ここでは、100万円を1年満期の定期預金に預け入れた場合に、金利が高い5つのインターネット銀行を紹介します。(インターネット専業銀行と呼ばれる6つの銀行〈ジャパンネット銀行、ソニー銀行、楽天銀行、住信SBIネット銀行、じぶん銀行、大和ネクスト銀行〉と、店舗窓口をほとんど持たずに営業している2つの銀行〈セブン銀行、イオン銀行〉を合わせた8つの銀行をインターネット銀行とします。)

「住信SBIネット銀行」は、定期預金の金利がインターネット銀行の中でも非常に高く、年0.2%となっています。「住信SBIネット銀行」は、SBIホールディングスと三井住友信託銀行が共同で設立した銀行です。特にインターネット証券大手のSBI証券と連携ができる機能に定評があります。将来、株式投資や投資信託を証券会社で始めてみたい方にはピッタリかもしれません。また、定期預金に関するキャンペーンも頻繁に行っています。

ソニーのグループが作った銀行に「ソニー銀行」があります。サービス名はMONEYKit(マネーキット)となっており、資産管理機能やデザインが特徴的で人気の銀行です。定期預金の金利は年0.15%と比較的高い水準となっています。

「大和ネクスト銀行」は2011年に開業した比較的新しい銀行で、証券業界No.2の大和証券に口座開設している人だけが利用可能な銀行です。定期預金の金利は年0.10%であり、比較的高くなっています。ただし、大和証券と合わせないと、それほど便利に利用できないために注意が必要です。

三菱UFJ銀行とKDDIが共同で設立した銀行に「じぶん銀行」があります。定期預金の金利は年0.05%で、インターネット銀行の中では、それほど高くありませんが、KDDIが運営しているauの携帯電話ユーザーの場合は各種特典が多いので積極的に検討できるでしょう。

イオングループに「イオン銀行」があります。銀行取引によりWAONポイントが貯まるなどのサービスが特徴です。WAONポイントが使えるイオンやイオン系列店でのショッピングが多い場合は利便性が高いです。定期預金の金利は年0.05%で、じぶん銀行と同じです。

定期預金の金利が高いとされるインターネット銀行を5つ、ご紹介しました。近年、通常の銀行もインターネットでの営業に力を入れており、インターネット経由で定期預金を申し込んだ場合には、定期預金の金利を優遇しているケースもあります。また、実店舗型の銀行がインターネット上のみで営業するインターネット支店を設置して、インターネット支店専用の定期預金の金利を高くしている場合もあります(上記金利はすべて2018年2月22日時点、1年満期100万円の定期預金)。

定期預金は無駄なのか?

超低金利が続いている今の日本では、定期預金では高い金利は見込めませんが、それでも定期預金が全く無駄なわけではありません。金利が低くなった今でも定期預金の特徴とメリットをよく把握すれば、定期預金を活用することができます。

例えば、目標設定に定期預金を活用するという方法があります。定期預金にすると“貯めた”という実感ができます。これから将来のために貯蓄をスタートしようと考えている場合は、まずは“○○万円の定期預金を作る”という目標を立てれば、現実的かつ達成感を得やすいです。

その他に、目的と利用時期が決まっているお金の置き場に定期預金を活用する方法もあります。例えば、3年後に子供が大学に入学する予定の場合、進学費用として準備したお金を定期預金にできます。このケースの場合、子供の進学資金なので、買い物などに使ってしまうべきではありませんし、投資信託などへの投資も適していません。なぜなら、3年後の大学入学時に損失が出てしまっていたら、子供の進学費用が不足する事態が発生するからです。この場面では、堅実に3年満期の定期預金で運用するのが良い選択肢となります。

また、定期預金の金利だけにとらわれず、銀行のサービスや利便性も含めて自分自身に合った銀行で定期預金を活用しましょう。例えば、当座借越を活用したいのであれば、生活費を管理している普通預金を利用している銀行に定期預金を預けましょう。また、銀行との信頼関係を築いておくために定期預金を活用する方法もあります。銀行によっては、顧客がローンを組みたい場合や貸金庫に何か預けたい場合に顧客の定期預金の口座の有無や金額を確認することがあります。ローンや貸金庫のサービスを利用したい銀行に定期預金を預けておくと、ローン金利が優遇されたり、貸金庫のサービス提供がスムーズに進んだりすることもあります。

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