定期預金の資金を別の銀行へ移すことはできます。ただし、定期預金という契約そのものを、別の銀行へそのまま移管することはできません。
原則として、現在の銀行で定期預金を満期解約または中途解約し、いったん普通預金へ入金した後、新しい銀行へ振り込み、移動先の銀行で新たに定期預金を作ります。
基本的な流れは、次のとおりです。
満期前に移す場合は中途解約利率が適用され、当初予定していた利息より少なくなることがあります。急いで移す必要がなければ、満期を待ってから移し替えるほうが有利です。
この記事の情報は、2026年7月11日時点で確認した内容です。手続き方法、振込限度額、手数料は銀行や商品によって異なります。
定期預金は、預入期間、金利、満期日などを現在の銀行と契約している金融商品です。
そのため、株式や投資信託のように、契約を維持したまま他の金融機関へ移管する仕組みは通常ありません。
別の銀行へ移すときは、現在の定期預金を解約して現金化し、新しい銀行で別の定期預金を契約します。
まず、新しく定期預金を作る銀行の普通預金口座を開設します。
現在は多くの銀行で、スマートフォンアプリやWebサイトから口座開設を申し込めます。本人確認方法や口座を利用できるまでの日数は銀行によって異なります。
定期預金の満期日が近い場合は、満期を迎えてから慌てないよう、先に新しい口座を用意しておきましょう。
定期預金の解約方法には、主に次のものがあります。
利用できる方法は銀行や定期預金の種類、預入金額によって異なります。
窓口で手続きする場合は、定期預金通帳または証書、届出印、キャッシュカード、本人確認書類などを求められることがあります。
定期預金を解約すると、元金と利息は、一般に同じ銀行の指定した普通預金口座へ入金されます。
自動継続型の定期預金では、満期日に自動継続されることがあります。満期で移し替える予定なら、事前に自動継続を停止するか、満期解約予約が必要かを確認してください。
普通預金へ入った資金を、新しい銀行の本人名義口座へ振り込みます。
このとき、次の点を確認してください。
インターネットバンキングの振込限度額が移動する金額より低い場合は、事前に限度額を変更する、数日に分ける、または窓口で手続きする方法があります。
限度額の変更が反映されるまで時間がかかる銀行もあるため、満期日前に確認しておくと安心です。
資金が新しい銀行の普通預金へ入金されたら、その銀行で定期預金を作ります。
キャンペーン金利を利用する場合は、次の条件を確認しましょう。
高いキャンペーン金利が適用されるのは最初の満期までで、その後は通常金利で自動継続される商品もあります。
満期前でも、定期預金を解約して別の銀行へ資金を移すことは可能です。
ただし、一般的な円定期預金では、契約時の金利ではなく、銀行所定の中途解約利率または期限前解約利率が適用されます。
その結果、受け取れる利息が大幅に減る場合があります。
中途解約して高金利の銀行へ移したほうが得かどうかは、次の金額を比較して判断します。
金利差がわずかで、満期までの残り期間が短い場合は、途中で移すより満期を待つほうが有利なことが多いでしょう。
満期日に移す場合でも、自動継続の設定には注意が必要です。
自動継続型には、一般に次の種類があります。
他の銀行へ移すなら、自動解約または満期解約予約が便利です。
銀行によっては、満期日の直前になると設定を変更できない場合があります。満期案内を受け取ったら、早めに確認しましょう。
定期預金の解約自体には、一般的な円定期預金で解約手数料が設定されていないことが多いものの、中途解約では適用金利が下がります。
また、別の銀行へ資金を移す際には、他行宛振込手数料がかかる場合があります。
手数料を抑える方法には、次のものがあります。
現金で引き出して持ち運ぶ方法は、盗難・紛失の危険があるため、高額な資金移動にはおすすめできません。
数百万円から数千万円を移す場合は、通常の少額振込より慎重な準備が必要です。
インターネットバンキングでは、不正送金対策として1日当たりの振込上限が設定されています。
初期設定が低額になっている場合もあるため、必要に応じて事前に変更します。
口座番号や名義を誤ると、振込の組戻し手続きが必要になることがあります。組戻しには手数料がかかり、資金が戻るまで時間がかかる場合もあります。
高額振込や普段と異なる取引では、不正送金や詐欺被害防止のため、銀行から振込目的や取引内容を確認されることがあります。
自分名義の口座への資金移動であること、定期預金の預け替えであることを説明できるようにしておきましょう。
利息の付く普通預金や定期預金などの一般預金等は、1金融機関につき預金者1人当たり元本1,000万円までと、破綻日までの利息等が預金保険制度で保護されます。
1つの銀行へ1,000万円を大きく超える金額を集める場合は、預金保険制度の保護範囲も確認してください。
引っ越し後も同じ銀行を使う場合、定期預金を別支店へ移さなくても、他の支店やインターネットバンキングで手続きできることがあります。
ただし、口座は開設した取引店で管理されているため、次のような手続きでは取引店への照会や書類の取り寄せが必要になる場合があります。
引っ越しが決まったら、住所変更を行い、最寄りの支店でどこまで手続きできるかを銀行へ確認しましょう。
同じ銀行内で取引店を変更する手続きと、定期預金を解約して別口座へ資金を移す手続きは同じではありません。
銀行によっては取引店変更に対応していますが、口座番号が変わる、現在の商品を引き継げない、公共料金などの口座振替変更が必要になる場合があります。
単に引っ越しただけなら、取引店を変更せず、住所だけ変更して利用を続けるほうが簡単なこともあります。
同じ銀行で、預入期間や満期日が異なる定期預金を複数持つことは一般に可能です。
たとえば300万円を1本の3年定期に預けるのではなく、100万円ずつ次のように分けられます。
満期を分散させると、資金が必要になったときにすべてを中途解約せずに済みます。
ただし、普通預金口座を同じ銀行で複数開設できるかどうかは、銀行の方針や利用目的によって異なります。定期預金を複数作れることと、普通預金口座を複数作れることは別の問題です。
Q.定期預金をそのまま他の銀行へ移管できますか?
A.通常はできません。現在の銀行で定期預金を解約し、新しい銀行へ資金を振り込んで、新たな定期預金を作ります。
Q.満期前でも別の銀行へ移せますか?
A.移せますが、現在の定期預金は中途解約となり、中途解約利率が適用されるのが一般的です。
Q.満期日に自動的に別の銀行へ振り込めますか?
A.銀行の商品やサービスによりますが、一般的な定期預金では、他行へ自動的に移管される仕組みではありません。満期金を普通預金へ受け取った後、自分で振り込む方法が基本です。
Q.現金で引き出して新しい銀行へ持っていってもよいですか?
A.可能な場合はありますが、高額の現金を持ち歩くのは危険です。原則として口座振込をおすすめします。
Q.同じ銀行の別支店で定期預金を解約できますか?
A.対応できる銀行は多いものの、商品、金額、通帳・証書の種類によって取引店への照会が必要になる場合があります。来店前に銀行へ確認してください。
Q.別の銀行から古い銀行の口座解約を依頼できますか?
A.銀行間の個別対応として取り扱われる可能性はありますが、すべての銀行で利用できる一般的な方法ではありません。旧銀行へ直接問い合わせるのが確実です。
Q.定期預金を複数の銀行へ分ける意味はありますか?
A.預金保険制度の保護範囲を意識した分散、満期の分散、銀行ごとの金利や利便性の使い分けという意味があります。
定期預金の資金は別の銀行へ移せますが、定期預金の契約をそのまま移管することはできません。
現在の定期預金を満期解約または中途解約し、普通預金を経由して新しい銀行へ振り込み、移動先で定期預金を作り直します。
満期前に移すと中途解約利率が適用されるため、まずは満期までの残り期間と金利差を比較してください。
また、高額資金を動かすときは、振込限度額、手数料、本人確認、預金保険制度の保護範囲を事前に確認することが大切です。