退職金の定期預金

退職金専用の定期預金は高金利であることが最大のメリットです。ただ基本的に、退職金を受け取ってから一定期間内に預けることが条件になっており、退職時にしか使えない限定商品です。退職金専用定期預金には投資信託などとセットになったプランもあります。しかし、投資信託は手数料がかなり高いので、十分に注意をする必要があります。

退職金専用の定期預金とは?

退職金としてまとまったお金が入った際に、知識もないのに投資信託などで運用を始めると、大きな失敗に終わることもあります。かといって普通預金に入れたままでは、ほとんど利息は付きません。お金が減るのは嫌だけど、全く増えないのも面白くない……そんな人にとって選択肢として挙がってくるのが定期預金ですが、定期預金のなかでもより有利な商品として、「退職金専用の定期預金」があります。

退職金専用の定期預金とは、その名の通り、退職金を預けておくための定期預金のこと。「退職金専用定期預金」「退職金運用プラン<定期預金コース>」といった名称で、銀行や信用金庫などの金融機関で取り扱われていることがあります。

退職金専用の定期預金は、退職金を受け取ってから一定期間内に預けることなどを条件に、高い金利が設定されています。基本的に退職時しか使えない限定商品となっています。退職金をもらっても当面の使い道が決まっていないのなら、高金利な退職金専用定期預金にいったん預けておくのが得策といえるでしょう。

退職金専用の定期預金のメリット

退職金専用定期預金のメリットは、何よりも高金利であること。たとえば2017年11月6日現在、とある都市銀行銀行の金利は、普通預金で年0.001%、300万円以上の定期預金で年0.01%となっていますが、退職金専用定期預金なら年0.5%と大幅に高い金利が設定されています。比較的金利の高いネット銀行の定期預金と比べても有利な商品といえるでしょう。

なかには、年2%〜3%といった金利を設定している銀行もあります。昨今の超低金利の環境下において、異例の高金利商品といえるのではないでしょうか。

ただし、金利が高いのには理由があります。預入期間が1〜6ヵ月と短いのです。たとえば年2%もの金利が設定されているとしても、それが適用されるのは預入期間の3ヵ月間までで、期間が過ぎたら通常の定期預金の金利が適用されることになります。

仮に、年利1%(3ヵ月もの)の退職金専用定期預金に300万円を預け入れたとしましょう。3ヵ月後に受け取れる利息は、300万円×1%×3/12ヵ月=7,500円(税引き後概算5,977円)になります。そして3ヵ月経過後、口座にあるお金は年0.01%などの定期預金に引き継がれることになります。

退職金専用の定期預金のデメリット

退職金専用定期預金にはデメリットもあります。預け入れるにあたって、通常の定期預金とは違い、いくつかの条件があることです。条件は金融機関によってさまざまですが、「退職金を受け取ってから1年以内に預け入れること」「1人1回の利用に限る」「預け入れの上限は退職金受取金額まで」などが基本です。

なかには、「預入金額500万円以上」「当行の口座を年金受取口座に指定すること」「NISA(少額投資非課税制度)口座の開設」などのハードルを設けている金融機関もあります。退職金専用の定期預金口座の開設を申し込む際には、自分の条件と金融機関の条件が当てはまるのかどうか、商品概要をよく確認しておきましょう。

退職金専用定期預金の代表的な商品

退職金専用定期預金の代表的な商品をいくつかご紹介します。以下では都市銀行や地方銀行の商品を紹介していますが、信用金庫や信用組合、JAバンクでも扱っている場合があります。ゆうちょ銀行やネットバンクでは扱われていないようです。なお商品内容や金利は2017年11月8日現在の情報です。実際にご利用の際は各金融機関にお尋ね下さい。

●りそな銀行「退職金きちんと運用プラン(円定期預金コース)」

りそな銀行の退職金専用定期預金は、通常の金利は年0.1%(預入期間3ヵ月)ですが、公的年金受け取り、給与振り込み指定、NISA口座の利用、のいずれかの条件を満たした場合には、金利が年0.5%になります。預入金額は退職金受取金額が上限となっています。

●三井住友信託銀行「退職金特別プラン 定期預金コース」

三井住友信託銀行の退職金専用定期預金は、金利年0.8%(預入期間3ヵ月)で、500万円以上(上限1億円)、退職金に限らずどんな資金でも預け入れることが可能です。特徴は、退職から1年の間なら何度でも利用できること。退職金を受け取ったタイミングだけでなく、確定拠出年金や他の銀行の満期資金などを受け取った際にこの口座に預け入れることで、高金利の適用を受けられます。

●神奈川銀行「退職金定期預金α(アルファ)」

神奈川銀行の退職金専用定期預金はAタイプとBタイプがあり、Aタイプは100万円以上3,000万円以下(年0.6%)、Bタイプは1,000万円以上(年0.5%)の預け入れが必要です。預入期間はいずれも6ヵ月となります。面白い点は、Aタイプを申し込むには退職所得を証明する資料が必要なのに対して、Bタイプの場合は資料がいらないことです。つまり、退職金に限らずどんなお金でも1,000万円以上ならばBタイプに預け入れることができます。

●西京銀行「退職金定期預金」

おそらく最高水準の金利だろうと思われるのが西京銀行の退職金専用定期預金です。預入期間は3ヵ月ですが、金利はなんと年3%となっています。満期後は3ヵ月ものスーパー定期の店頭表示金利(2017年11月8日現在、年0.01%)となります。預入金額は300万円以上必要です。たとえば300万円を預け入れた場合、受取額は税引き後概算で17,684円になります。

●商工中金「退職金専用定期預金」

全国に支店がある商工中金にも退職金専用定期預金があります。「期間1ヵ月以上3ヵ月以内」コースの金利は「店頭金利から0.5%上乗せ」、「期間3ヵ月超6ヵ月以内」コースの金利は「店頭金利から0.3%上乗せ」となります。たとえば2017年11月8日現在で500万円預け、預入期間3ヵ月に設定すると金利は年0.51%、預入期間6ヵ月に設定すると金利は年0.31%になります。預入金額は退職金の受取額の範囲となります。

退職金専用定期預金の取り扱いを中止する銀行があるのはなぜ?

いくつかの退職金専用定期預金を紹介しましたが、利用を検討しているのなら早めに調べた方がいいかもしれません。というのも、三菱東京UFJ銀行やみずほ銀行など、退職金専用定期預金の取り扱いを中止する(あるいは設定金利を大幅に引き下げる)金融機関が次々と現れているからです。

なぜ金融機関は、退職金専用定期預金の取り扱いを中止するのでしょうか。その背景には金利情勢の急激な変動があります。日本銀行では2016年にマイナス金利政策を導入しましたが、この影響により各銀行は収益が圧迫されることになりました。そのため多くの銀行が定期預金など預金商品の金利引き下げを行いました。

金融機関にとって、まとまったお金である退職金はぜひとも集めたいところですが、一方で退職金専用定期預金の高い金利が収益の圧迫要因になりかねません。現在も退職金専用定期預金の中止や金利変更を検討している金融機関は多いのではないでしょうか。「申し込もうとしたら取り扱い中止になっていた」ということがないよう、速やかに手続きをしておきたいところです。

退職金専用定期預金を利用する際の注意点

退職金専用定期預金を利用する際に注意しておきたい点があります。それは、定期預金だけではなく、投資信託の購入とセットになったプランをすすめられることがあることです。

退職金専用定期預金は基本的に、金融機関の窓口に出向いて申し込むことになります。その際、金融機関の担当者が、定期預金プランではなく、投資信託の購入とセットになったプランをすすめてくる可能性があります。

投資信託の購入とセットになったプランとは、たとえば預け入れた資金の全部を定期預金に入れるのではなく、50%以上を投資信託の購入に回すことが条件になっているプランです。投資信託を買わなければならない代わりに、定期預金部分の金利は年5〜6%(預入期間3ヵ月)などの好条件になります。

高い金利につられてついつい「投資信託プランでもいいかな」と思ってしまいますが、注意しなければいけません。購入できる投資信託の種類を金融機関が指定している場合が多いのです。つまり金融機関としては、定期預金部分に高い利息を払う代わりに、手数料の高い投資信託を販売して、しっかり元を取っているわけです。

また、間違いなく定期預金プランに預けたとしても、預入期間が終わる3ヵ月後には、「投資信託や国債の購入はいかがですか?」とセールスされることもあるでしょう。投資信託等で運用することことが悪いわけではありませんが、知識も経験もないのに、金融機関にすすめられるがままに買ってしまうと痛い目を見ることもあります。

退職金を少しの間、定期預金に入れるだけと軽く考えていては、営業マンや窓口担当者の口車に乗せられてしまうかもしれません。「自分のお金は自分でしっかり守る!」という強い意志を持つことが大切です。

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