定期預金の振込手数料

定期預金の振込手数料

定期預金の振込手数料として、取引によってはコストがかかる場合があります。普通預金口座のお金を定期預金に預け入れるとして、その銀行の同じ支店で定期預金を作成するのであれば、資金を移動するための費用はかかりません。しかしある銀行から別の銀行に資金を送る場合には、振込手数料が必要になります。また同じ銀行同士であっても支店が違えば、あるいは同じ支店であっても口座名義が違えば、振込手数料がかかってくるのが普通です。まず銀行などの金融機関同士のお金のやり取りの仕組みはどうなっているのか、簡単に見ていきましょう。

銀行や信用金庫などでは、店頭で顧客から現金などを預かって、他の銀行などにある指定された口座にその資金を届けるサービスを提供しています。これは一般に為替業務と呼ばれ、銀行などの固有の業務とされています。日本国内の資金移動なら内国為替、海外とのお金のやり取りであれば外国為替となります。

国内の資金移動で、他の銀行などの指定の口座にお金を送る場合は、通常はその際に振込手数料を支払うことになります。例えばクルマを買ったときの自動車ディーラーへの支払い、子供が学校に入学するときの入学金や授業料などの支払いなどでは、送り先の銀行口座を指定されて、期限までに決まった金額を支払います。その場合、その代金や、定められた費用などに加えて、窓口となる銀行などが振込手数料の支払いを求めるのが普通です。

振込手数料を支払って銀行などの店頭で手続きをすれば、わざわざ遠方まで交通費を使って代金を持参する手間が省けます。現金を持って移動する場合の盗難リスクや紛失リスクを避けることもできます。そのようなサービスは、江戸時代の昔から江戸の三井や大坂の鴻池といった両替商が提供してきたもので、その業務が現代の銀行などに継承されているとも言えます。

現代の金融システムでは、特に遠方であろうとなかろうと、A銀行からB銀行にお金を移動するために金融機関同士の決済システム等を利用して、ほとんど一瞬のうちにお金のやり取りができるようになっています。非常に便利ですが、これが代金支払いなどではなく、自分自身の銀行口座が複数あるときに、ある銀行の自分の口座から別の銀行の自分の口座にお金を振り替えるときも、この金融機関同士の決済システムを利用する限り、振込手数料がかかってきます。

例えば、サラリーマンが、自分の給与振込口座の普通預金のある銀行から、比較的高い定期預金金利を提供している別の銀行にお金を移そうとすれば、そのときも原則として振込手数料が必要です。現金で払い出して別の銀行に持参すれば手数料はかかりませんが、時間、交通費、各種リスクを伴うことは先に述べたとおりです。お金を移したい先がインターネット専業銀行であれば、そもそも支店窓口などどこにもありません。銀行など金融機関を跨いでまとまったお金を動かしたいときは、どうしても金融機関同士の決済システムに頼らざるを得ないのが現実です。

定期預金に入金する際の振込手数料

定期預金に入金する際の振込手数料とは、もしA銀行に預けてあるお金をB銀行の定期預金に預けるために銀行間で振込をすれば、そのときにA銀行に支払う手数料を意味します。お金を受け取る側のB銀行に手数料を支払う必要はありません。

B銀行にお金を預けるという意味では、前に触れたようにA銀行から現金を払い出してB銀行に持参することもあり得ます。A銀行とB銀行が隣り合っているならば、A銀行で現金で払い出してその現金をB銀行店頭の窓口なり、ATMなりで入金することもそう大変ではありません。

しかし、同じ商品を扱う店舗が隣り合っている場合には、普通はその価格に大きな違いはありません。なぜなら競争原理が働くからで、銀行などでも同じことが当てはまります。メガバンクが交差点を挟んで支店を構えている場所は日本中そこかしこにありますが、メガバンクの定期預金金利には今のところ差はありません。あえてお金を移してでも預けたい有利な定期預金金利を提示している銀行・金融機関はインターネット専業銀行などで、実際の店舗も自前のATMも持っていないのが普通です。

そのような場合はどうすればいいのでしょうか。インターネット専業銀行でも普通預金を開設すればキャッシュカードを発行してくれます。インターネット専業銀行では自前でATMネットワークを展開していませんが、提携ATMネットワークを利用すればカードを使って現金での入金も可能です。例えばソニー銀行では、セブン銀行やイオン銀行のATMネットワークのほか、三菱UFJ銀行や三井住友銀行のATMを利用して入金が可能になります。もちろんATMですので物理的な制約はあります。例えばセブン銀行ATMでは1回の入金操作で50枚の紙幣を処理するのが限度です。

改めて確認しておきますと、手数料を支払って振込扱いとするにせよ、現金でATMを使ってお金を移すにせよ、受け取る側の銀行の普通預金口座を持っていることがすべての前提です。店舗を構えて営業している銀行なら、普通預金口座を開設することなく定期預金だけ専用の通帳などを作って預けることも可能ですが、インターネット専業銀行などではその銀行でまず普通預金口座を開設し、他の銀行からお金を移すときの受け皿とすることがすべての取引の第一歩となります。インターネット専業銀行では、普通預金口座の開設とインターネット取引のための諸手続きを行ってから、初めていろいろなサービス(定期預金の開設も含む)を受けられます。

インターネット専業銀行の口座申込では、まず各行のホームページにアクセスして、氏名・住所など口座開設に必要なデータを入力して送信すると、後日郵送で申込書が送られてきます。その後、身分証明書のコピーを返送するなり写真データを送るなりの方法で本人確認などを行い、口座番号・キャッシュカードが作成されます。最初は基本的に残高ゼロからのスタートになります。

定期預金から出金する際の振込手数料

定期預金から出金する際の振込手数料とは、先ほどの例でB銀行の定期預金に預け入れたとして、その満期日が来たときに元利金をまたA銀行に戻すとすれば、今度はいわば帰りの振込手数料がかかってきます。

B銀行で定期預金金利を稼いでも、満期日が到来して口座から払い出すためのコストがかかることを考慮しておかなければなりません。交通費やリスクを度外視すれば、定期預金の満期日にその銀行の窓口に赴いて現金で払い出せば手数料はかかりません。ただし、比較的高金利の定期預金を提供しているインターネット専業銀行などでは、そもそも窓口がないのです。銀行間の資金移動を行うには振込を行うのが事実上唯一の手段となります。

普通預金口座に定期預金の元利金を振り替えてからATMで現金を払い出すことも考えられますが、ATM利用にはそれぞれの銀行ごとに、またセブン銀行などの自行以外のATMネットワークを利用する場合には、その銀行とセブン銀行との間で決められたルールに則って、一定の手数料がかかってきます。セブン銀行ATMが使えるのかどうか、使えるとしてATM無料回数などを良く確かめておかないと、ATMで現金を払い出して振込手数料を節約できたとしても、ATM利用手数料がかかってくることになりかねません。

このように店舗やATMネットワークを自前で持たないインターネット専業銀行などでは、自行のサービスを多くのお客様に利用してもらうためには、銀行間の振込による資金の移動に頼らざるを得ません。したがってインターネットを主な取引の場とする銀行では、普通預金口座の開設をすべての取引の条件とする一方で、そこからのお金の移動には手数料を無料、あるいは極力低く設定してお金の流れをスムーズにする工夫をしています。この点はのちほど見ていきます。

定期預金の利息と振込手数料

定期預金の利息と振込手数料を比べてプラスマイナスを確認しておかないと、あとで困ったことになります。超低金利が長引く現在の状況では、定期預金の利息は非常に小さい金額なので、振込手数料を払うと差し引きの収支がマイナスになる可能性もあります。

三菱UFJ銀行みずほ銀行三井住友銀行などのメガバンクの定期預金店頭表示金利は、1年もので年0.01%となっています(2018年4月現在)。これは元金1万円を1年間預け入れて満期日に1円の利息が受け取れることを意味します(利息には国税として所得税および復興特別所得税が合計で15.315%、地方税が5%かかりますが、利息が1円なら税金はそれぞれ、国税が0.15315円、地方税が0.05円となり、1円未満の税金は切り捨てとなるため計算上課税はゼロとなります)。例えば100万円を1年間、年0.01%で定期預金として預けたとしますと、税引後の受取利息は80円となります(この場合は税引前利息100円に対して所得税が15円、地方税が5円かかるため)。

仮に三菱UFJ銀行に上記の条件で100万円預け入れたとして、満期に80円の利息が受け取れますが、元金と合わせて1,000,080円を自分の取引がある他の銀行に振込を行うためには、窓口で手続きをすると864円(消費税込、以下同様とします)もの振込手数料がかかります。実に受取利息の10倍を超える手数料がかかり、差し引きでは80円マイナス864円イコール784円の損となりますので、わざわざ定期預金に預け入れた意味がありません。

これを満期が来た定期預金元利金を普通預金に振り替えて、そこからインターネットバンキングで振込の手続きを行えば、三菱UFJ銀行の場合324円の手数料ですみますが、受取利息の80円を上回ることに変わりはありません。この場合だと差し引き244円のマイナスになります。

他のメガバンクや地方銀行でも、ここで説明した定期預金の金利水準はほぼ同じで、振込手数料もほとんど同じような設定となっていますので、わざわざ自分が普段使う銀行以外に定期預金を預け入れて、また元の銀行に戻すことの意味はありません。いま見たように帰りの片道の振込手数料だけで運用した利息はなくなってしまいます。超低金利の環境では、結果的に振込手数料がかかってくるような資金の運用方法は無意味です。

振込手数料が無料になるサービス

振込手数料が無料になるサービスはあるのでしょうか。結論から言いますと、銀行の窓口で人の手を借りて手続きをする限り、振込手数料は必ずかかります。ATMを使ってもそこから多少安くなる程度で。他の銀行と資金をやり取りする場合には、手数料は原則としてゼロにはなりません。

振込手数料ゼロで振込を利用するためには、インターネット専業銀行などを利用するか、既存のメガバンクなどのインターネット取引サービスを利用することが大前提です。その場合でも各金融機関にとっては無料で振込を取り扱うための取引条件を定めている場合がほとんどです。以下でいくつかの銀行の実例を見ていきます。

インターネット専業銀行の住信SBIネット銀行では、スマートプログラムと称して個人の取引状況に応じた手数料の優遇(本来かかってくる手数料をゼロにするという意味)を定めています。住信SBIネット銀行から他の銀行に振込を行う場合、ランク1からランク4までの取引ランクに応じて、あらかじめ設定された回数を上限に振込手数料を無料としています。例えば円預金があるだけで、その残高が30万円未満ならランク1ですが、その場合でも他行宛振込手数料は毎月1回無料となります。もし100万円の定期預金を預け入れていたとすれば、その場合のランクは2となり、毎月の他行宛振込手数料は3回まで無料になります。

同じくインターネット専業銀行の楽天銀行でも、ハッピープログラムという会員制度があって、預金残高が10万円を超えると毎月1回は他行宛振込手数料が無料になります。預金残高に関わらず、同行で口座に給与振込指定があれば、毎月3回まで他行宛振込手数料は無料になります。

インターネット専業ではもうひとつ、大和ネクスト銀行を見てみましょう。個人が、他の銀行の本人名義の預金口座へ振り込む場合は、何度でも振込手数料無料でできるとしています(他人名義の他行口座には月3回までと無料回数の制限あり)。資産運用をするために個人に口座を開設してもらっている限りは他の銀行との垣根を全く設けず、自由にお金のやり取りをして自行の商品・サービスを使ってくださいという姿勢です。

インターネット専業銀行などでは、ソニー銀行ジャパンネット銀行オリックス銀行、さらに新生銀行SBJ銀行などでも他の銀行宛ての振込手数料を一定の条件の下で無料の扱いとしており、結果的に自行にお金を預けやすくする工夫をしています。一方でセブン銀行やイオン銀行などの、ATMネットワークの利便性や、本業のリテールビジネスとの連携を重視する銀行では、他行宛振込手数料を無料にするサービスは行っていません。これらの銀行は現金での出金などの利便性で勝負しているので、運用資金を取り込む仕掛けをあまり考慮しなくてもよいからでしょう。

メガバンクなどでもこのようなサービスはあるのでしょうか。みずほ銀行には「みずほマイレージクラブ」という会員制度があり、普通預金口座を開設したうえで、キャッシュカードと一体化したクレジットカードを申し込むのがその加入条件となっています。ここでは一定の取引条件を満たすことでATMの時間外手数料が無料になるほか、インターネットバンキングで手続きを行えば、他の銀行宛ての振込手数料が月に4回まで無料になります。他行宛振込手数料が無料となる一定の条件には、みずほ銀行の口座を給与振込口座に指定することや、クレジットカードを実際に継続的に利用すること、一定の預金残高を維持すること、などが含まれます。

口座を開いていきなりそのような取引条件を満足することは困難ですが、みずほ銀行では「みずほマイレージクラブ」入会月からその翌々月までは、取引の内容にかかわらず、ATM時間外手数料の優遇や、他行宛振込手数料の無料扱いを含む特典を提供するとしています。

他のメガバンクでも同様のサービスプログラムを提供していますが、みずほ銀行よりは厳しい条件になっています。三菱UFJ銀行では「スーパー普通預金(メインバンクプラス)」というプログラムで、一定以上の取引を行っている預金者に他行宛振込手数料を月3回まで無料としています。取引条件としては有料のクレジットカードの代金引き落としや住宅ローンの利用などが含まれます。預金残高だと500万円以上が必要です。三井住友銀行も、SMBCダイレクトというインターネット取引でATM時間外手数料などを優遇していますが、他行宛振込手数料は基本的に有料です。

定期預金のお金の動かし方

定期預金のお金の動かし方としてはどのようにすればよいでしょうか。いろいろな銀行をその特徴に応じて使いこなせば、普段利用する銀行でその利便性を享受しながら、振込手数料を負担することなく比較的有利な定期預金金利を提供する別の銀行で、安全な資金の運用を行うことも可能となります。以下で具体的に見ていきます。

まずは自分の日常生活のための使い勝手のいい銀行が一つは必要です。サラリーマンなら給与振込口座を指定して、公共料金やクレジットカードの口座引き落としを行い、ATMが便利に使えるといった視点から選ぶと、都心部ならメガバンク、地方なら各県などの地方銀行が最有力候補となります。

しかしこれらの、店舗展開が充実していて従来型の金融サービスを提供している銀行では、あまり魅力的な定期預金金利を提供していません。そこで基本的な生活口座としてメガバンクや地方銀行を利用する一方で、いわばトッピング的にインターネット専業銀行などを利用して、比較的高い定期預金金利のメリットを追求することが考えられます。

先ほどご説明したように、みずほ銀行に普通預金口座を開設し、みずほマイレージクラブに加入して同行に給与振込口座を指定すれば、インターネット取引を通じて他の銀行に振込手数料無料でお金を移して運用することができます。

例えば楽天銀行では2018年4月現在、元金1千円以上で1年もの定期預金金利が年0.12%となっており、メガバンクなどの定期預金店頭表示金利1年もの年0.01%に比べて圧倒的に有利です。またオリックス銀行では、預け入れ金額100万円以上で1年もの定期預金金利が年0.15%となります(2018年4月)。みずほ銀行で生活資金をやりくりしながら少しでも余裕資金が貯まってくれば、それをみずほ銀行からインターネット取引を利用して、楽天銀行やオリックス銀行に振込手数料無料で送金し定期預金を利用する。そしてその定期預金が満期日になれば、楽天銀行やオリックス銀行のインターネット取引を利用して振込手数料無料でみずほ銀行に戻す、あるいはその時々に有利な金利を提供しているまた別の銀行に移すことも考えられます。

地方銀行では、同じ銀行内のインターネット支店で有利な金利を提供している場合があります。例えば静岡銀行では、1年もの定期預金の店頭表示金利は年0.01%ですが、同じ静岡銀行のインターネット支店では1年もの定期預金金利は年0.11%となっています。同じ銀行の支店の間でも振込手数料がかかりますが、この場合もしずぎんダイレクトというインターネット取引を利用すれば、振込手数料無料で同行のインターネット支店に資金を移して、高い定期預金金利を享受することができます。

証券会社で株式や投資信託の売買を行っている人はよくご存じのとおり、いまではインターネットを経由した取引がほとんどで、銀行との決済資金のやり取りもネット上で簡単に行うことができます。楽天銀行や住信SBIネット銀行や大和ネクスト銀行などは、それぞれの母体、あるいは緊密な関係にある証券会社(それぞれ楽天証券SBI証券および大和証券が緊密な連携先)と密接な連携のもとで営業している銀行であり、そのような銀行と証券会社相互間の資金のやり取りは、手数料無料で迅速に行う態勢が出来上がっています。ただし、これらの資金運用に特化したタイプの銀行のサービスだけではATM利用など日常生活で不便な場合もあり、メガバンクや地方銀行の力を借りざるをえないのが現状です。またセブン銀行イオン銀行はそういうインターネット専業銀行の弱点を補完するようなサービスを提供しています。

以上見てきたとおり、各金融機関にはそれぞれ得意な分野と不得手な部分があります。伝統的な多店舗展開の銀行は、ATMネットワークの利便性や各種口座振替による公共料金の支払いなどの、日常生活に必要な決済機能に優れている一方、高コストの経営を強いられる結果として預金金利は相対的に低く、各種サービスへの手数料設定も厳格です。逆にインターネット専業銀行では、原則無店舗かつ人件費も少なく済むため意欲的な金利設定が可能になりますし、資金のやり取りがスムーズに行えるように振込手数料も無料あるいは低めですが、その銀行との取引だけでは生活に必要な金融サービスのすべてをカバーすることは困難です。

タイプの違う銀行・金融機関を使い分けて、それらの有利な点を組み合わせて使うのが賢い預金者だと言えます。そのためには各金融機関の間のお金のやり取りを、振込手数料無料で利用するのが大前提です。自分に合った取引銀行・金融機関をいくつか選んでそれらの間の振込手数料が無料になる条件を満足すれば、余計なコストを負担することなく安全な資金運用を行うことができます。

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